【ライオンのおやつ】

主人公は担当医から推薦された「ライオンの家」という施設に移り住み余生を過ごすことを決める。ここのホスピスでは、一般的なホスピスのようにただ死を待つというものではなく、リクエストした思い出のスイーツを食べれるらしい。ただし、悲しいことに急死してしまうと食べられない。雫は施設の喫茶店のマスターの死を傍観し、死と孤独を実感してしまう。この孤独は、疎遠となっている身内に何も告げずにやってきたことが影響していそうである。設定がやけにリアリティがあるような。
ある日、突然駆けつけた父と再会し妹の存在がいたことを知り体(末期がん)と心の痛みが癒され亡くなってしまう。特に孤独感を強く感じていた主人公だったため、最後に大きな存在である父と会話等ができたことで満足したのではないだろうか。