【認知症の人の気持ちがよくわかる聞き方・話し方】
インフォメーション
題名 | 認知症の人の気持ちがよくわかる聞き方・話し方 |
著者 | 鈴木 みずえ 監修 |
出版社 | 池田書店 |
出版日 | 2017年11月29日 |
価格 | 1760円(税込) |
認知症の人と会話をする際に大切にしたいこと(心得)、
認知症の人のケアで役立つ「聞き方・話し方」が習得できます。
なかなか起きられない、何日も着替えない、食事の途中で手が止まる、
失禁、体や髪を洗いたがらない、「帰りたい」と言う、
物を盗られたと思っている、歩き続ける、大きな声を出すなど、
よくある事例をとりあげ、実際の会話をマンガやイラストを使いながら解説。
お互いの気持ちが通じるように導いています。
本書で紹介するケアは、認知症ケアの基本といわれる
「パーソン・センタード・ケア」の考えに基づいています。
①その人の思いを聞く
②健康状態・生活歴などの情報を集める
③心理的に満たされていないこと(ニーズ)を見つける
という3ステップをふむことで、認知症の人の言動の理由がわかり、
気持ちを理解することができ、いま必要なケアを見つけることができるでしょう。
うそをついたり、ごまかしたりせず、信頼関係を築くことで、
ケアは確実に楽になっていきます。
引用:池田書店
ポイント
- 認知症の人の症状には「中核症状」といわれる、病気が直接起因となって起こる症状がある。しかし、徘徊、暴力、介護への抵抗といったいわゆるBPSDは、そのほとんどがストレスによって起こるものなのだ。
- 本書は、パーソン・センタード・ケアの考え方に基づいた、認知症の人、本人の意思を大切にした、認知症の人とコミュニケーションをとるときに欠かせない「聞き方・話し方」を学ぶことができる本だ。
サマリー
BPSDを起こす・起こさないは「聞き方・話し方」次第
認知症の人の「徘徊する」「暴力を振るう」「介助を嫌がる」といった行動や行為、いわゆるBPSD(認知症の行動と心理症状)がクローズアップされている。
そして、これは病気が原因だから仕方がない、治らない、繰り返される、というように思っている人が多いが、それは間違いであり、多くの人が勘違いしていることがとても残念だ。
認知症の人の症状には「中核症状」といわれる、病気が直接起因となって起こる症状がある。
しかし、徘徊、暴力、介護への抵抗といったいわゆるBPSDは、そのほとんどがストレスによって起こるものなのだ。
認知症の人に対してのケアを「お風呂に入れたり、ご飯を食べさせたりする業務」と捉え、その遂行だけを考えた結果、認知症の人に対してうそをついたり、ごまかしたり、強制したりするケースで、その人にBPSDが起こったとしたら、すぐにケアを見直さなければならない。
認知症の人がBPSDを起こすことがないようにケアをしていくためには、まずは、その人の話を聞き、受けとめることだ。
そして、その人の気持ちを知り、心に響く言葉を使って話しかけられるようになると、信頼のある関係になっていくことができるのだ。
本書では、「聞くこと・話すこと」で認知症の人の気持ちを探り、受けとめる心得やテクニックをお伝えする。
取り入れることで、認知症の人の気持ちがわかるようになり、ケアの質が変わり、信頼関係が生まれ、ケアが楽しく、楽になっていくことを願っている。