【13歳から鍛える具体と抽象】
インフォメーション
題名 | 13歳から鍛える具体と抽象 |
著者 | 細谷 功 |
出版社 | 東洋経済新報社 |
出版日 | 2023年9月27日 |
価格 | 1,650円(税込) |
著書累計100万部突破!!
1日でも早く知ってほしい!
大人になる前に知っておきたい一生役立つ「頭の使い方」
◎なぜ、話がかみあわないの?
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勉強も人間関係もスムーズになる「考える」トレーニング
AIに使われるのではなく、AIを使いこなす知的想像力を育てよう
「具体と抽象」の往復で、何でもシンプルに整理できる!頭すっきり!
引用:東洋経済新報社
ポイント
- 人間の知的能力をある面から表現すれば、「動物には見えない世界が見えている」。
- 具体というのは「実体をそなえているもの」、抽象というのは「形にならない特徴を抜き出す」。
- 「具体と抽象」の意味と使い方を理解しているかどうかで、毎日の、そして人生のすべてにおけるものの見方が変わる。
サマリー
はじめに
みなさんは「具体と抽象」という言葉を聞いたことがあるだろうか。おそらくほとんどの人は聞いたことがないのではないかと思う。
少なくとも学校の科目にはないし、インターネットやテレビを見ていても、話題になることはないだろう。
でも、この考え方はある意味で昔から日本で子どもが覚えるべきものとしてあげられていた「読み書きそろばん」のような基本的なことよりも前に、理解しておきたい大切なものなのである。
この言葉の意味を理解しているかどうかで、いい意味で人生が変わる。その「ご利益」は人生の早い段階で習得するほど大きくなる。「具体と抽象」の視点を身につけると、世の中がまったく違って見えるようになる。
「具体と抽象の秘密」を一つ一つ解き明かしていくことにしよう。
「具体と抽象」って何だろう?
見えるものと見えないもの
「Q:動物と人間の違いってなんだとおもいますか?」
見た目はもちろん全然違う。猿やチンパンジーとの比較でいえば、決定的に違うというわけでもない。
むしろ圧倒的な差があるのは人間の知識や知恵という「知的能力」(頭を使って何かを成し遂げる能力)ということができる。
身体的能力で人間より優れた動物はたくさんいる。だが、知的能力については他の動物にくらべて人間は圧倒的な能力をもつ。
知的能力は五感で感じることが難しい。五感そのものは人間と動物とは大差がなく、部分的には人間より優れている動物はたくさんいる。しかし、知的能力が人間より優れている動物はいない。
人間の知的能力をある面から表現すれば、「動物には見えない世界が見えている」ということなのである。
人間にしかできないこと
超能力者でなくても私たちには「見えないものが見えている」。たとえば誰かにSNSでメッセージを送って、相手が読んだはずなのに返事が来ない、いわゆる「既読スルー」の状態を経験したとする。
こういう場合に「余計な心配」をして悩むことはないだろうか。
「何か気にさわるような表現をしてしまったのではないか」とか「知らない間に不愉快な思いをさせたのではないか」といった不安や心配というのは、他の人からはまったく見えないものである。
ネガティブなモノばかりではなく、「将来の夢」や「夏休みの旅行への期待」といった楽しいものもある。
でもこれらはすべて目に見えない想像である。
人間の想像力や科学技術、あるいは数字やお金といった目に見えないものを考えたり、表現したりすることの基本にあるのが、「抽象」ということになる。
逆に動物でも人間と同様に見たり聞いたりできる五感で感じられるもの(代表して見えると表現している)が具体的なものなのである。