【パワハラ上司を科学する】
インフォメーション
題名 | パワハラ上司を科学する |
著者 | 津野 香奈美 |
出版社 | 筑摩書房(ちくま新書) |
出版日 | 2023年1月05日 |
価格 | 990円(税込) |
「パワハラとは何か?どうしたら防げるのか?」―実は、多くの人がわかっていない。
著者は、パワハラ測定の尺度を開発し、誰が行為者になり、どのような性格特性の上司がパワハラしやすいかを10年以上にわたり研究。科学的データを基に、対策を実施してきた。
「仲がよければいい」「関わらなければいい」など、多くの人がやってしまっている誤った対応を明らかにし、本当に防ぐにはどうすればいいのかに迫る。
引用:筑摩書房
ポイント
- 人はストレスを感じたり、不安や葛藤を感じたり、十分に睡眠がとれなかったりすると、他者に対して攻撃的になるという性質がある。
- 団結力が強かったり、同質性が高かったりすることは、異質なものを排除する力の強さにもつながる。
- 「部下は上司の言うことを聞くべき」という上から目線をせず、「優越性」「横柄さ」「傲慢さ」を手放すことだ。
サマリー
科学的な知見に基づき、パワハラをこの世からなくしたい
著者がパワハラに関する研究や、企業・自治体での講演・研修・コンサルティングに熱心に取り組む理由は、「誤った指導をしてしまっている上司を一人でも減らしたい」「パワハラをこの世からなくしたい」との強い気持ちからだ。
そのためにまず、パワハラを測定する尺度を開発することろから研究を開始した。
誰かを説得するには「データ」によって裏付けされた「科学的根拠(エビデンス)」が強い力になると考えたからだ。
10年以上にわたり、実証研究によって明らかになった科学的根拠を使い、全国各地の企業や自治体で管理者向けの研修や講演を実施する中感じたことは、「パワハラにならない指導の仕方に誤解がある」という点だ。
パワハラが起こるメカニズムや、「より良い指導」の方法を知る経営者や管理職が1人でも増えることで、部下との関わりが楽になり、パワハラをしない上司が増えることを期待する。
本書により、職場での科学的知見に基づいた効果的なパワハラ防止対策が実施されることを願う。