【人を動かす傾聴力】

インフォメーション
題名 | 人を動かす傾聴力 |
著者 | 林田 康裕 |
出版社 | ぱる出版 |
出版日 | 2024年2月 |
価格 | 1,540円(税込) |
【意欲的な発言を引き出せるスキル】
・「主体性を引き出す」
・「潜在ニーズのあぶり出し」
・「相互理解を深める」
など、人と人とのあらゆる関係性において必須要件となる
傾聴/ヒアリングのテクニックを具体的かつ分かりやすい表現でご紹介。
多くの会話事例の紹介と、なぜここでこの様な質問をするのか?まで徹底解説。
引用:ぱる出版
ポイント
- 傾聴力は、目の前の相手の思考を整理でき、相手が気づいていない気持ちを呼び起こす。その結果、相手の口から言ってもらいたい事を言ってもらえる様になる。
- 傾聴力を高める目的は、表面的な傾聴力自体を高める事ではなく、お互いに心を許し合える関係になり、お互いに主体性が作用する関係を構築する事である。
- 五感を通して聴く事で、相手の状況をより深く理解する事ができる。相手の「はい」を耳だけで聴き、次の話に進んでしまうと、未消化だった要素が出てくる事なく、表面をなぞるだけの会話になってしまう。
サマリー
人を動かすには、心を動かす事
目の前の人が動いてくれないのは、心が動いていないからである。
心を動かす為に必要なのは、高圧的な指示や命令ではなく、目の前の相手が自らの想いに気づく事である。
それを実現できるのが傾聴だ。
傾聴力は、目の前の相手の思考を整理でき、相手が気づいていない気持ちを呼び起こす。
その結果、相手の口から言ってもらいたい事を言ってもらえる様になる。
しかし、それは相手を自分の思い通りにコントロールするテクニックではない。
理想的なコミュニケーションとは、お互いに尊重し合い、お互いに主体性を発揮でき、お互いに向上できるものだ。
そう願う方にこの本を手に取って頂き、意義ある時間を過ごして頂きたい。
傾聴力を高めると実現できる事
私がメーカーの営業をしていた時、傾聴によって、取引先の潜在需要を相手の言葉で話してもらう事ができた。
そこで新たな製品を提案したところ、取り扱ってもらえることになった。
また、ある社長さんの仕事には関係ない話に耳を傾けたところ、相手がポジティブになる手助けができた。
その結果、相談相手になることができて、よい関係を構築した。
完全なる「相手軸」になる
「聴いてくれる人と思われたい」になっていないか
傾聴スキルを学んだAさんは、誠実な感じで、話を最後まで聴いてくれるが、話した事を覚えていない。
この対応は、「見せ方」にこだわり、「聴いてくれる人と思われたい」が先行している。
相手には「信用しきれない」と思われるだろう。
傾聴力を高める目的は、表面的な傾聴力自体を高める事ではなく、お互いに心を許し合える関係になり、お互いに主体性が作用する関係を構築する事である。
最適な会話のバランスとその内容
傾聴に関する会話のバランスの理想は、
あなたが話す―1割 相手が話す―9割
大切なのは、「相手に話してもらうのがメイン」という感覚をもって接する事。
こちらからする事は、「相づち」「問いかけ」「整理(まとめ)」、最後に「提案」である。
聴くスキル1 マインドセットを整える
五感で聴くのが一流
五感を通して聴く事で、相手の状況をより深く理解する事ができる。
私はご相談をお受けする事が仕事のようなものだが、時々、相手が「はい」「そうですね」とポジティブな発言をしているにもかかわらず、表情が曇っている場合がある。
こういった時に五感をフル活用できていると、「何か引っかかっておられる様な表情に見えましたが…」と問いかける事ができる。
すると、「理屈としては分かっちゃいるんですけど、実は…」と、相手にお悩みの核心部分に触れる発言をして頂ける事もある。
しかし、相手の「はい」を耳だけで聴き、次の話に進んでしまうと、未消化だった要素が出てくる事なく、表面をなぞるだけの会話になってしまう。