【曽我兄弟より熱を込めて】
インフォメーション
題名 | 曽我兄弟より熱を込めて |
著者 | 坂口 螢火 |
出版社 | 幻冬舎 |
出版日 | 2023年1月 |
価格 | 1,650円 |
登場人物
・曽我十郎祐成(一萬)
曽我兄弟の兄。
・曽我五郎時宗 (箱王)
曽我兄弟の弟。
・河津三郎
兄弟の父。一萬5歳、箱王3歳のときに亡くなってしまう。
・工藤祐経
兄弟の父・三郎を討った宿敵で、頼朝の寵臣。
あらすじ
※一部、ネタバレを含みます。
※本記事は要約記事ではなく、自身の言葉であらすじ及び感想を書いたものです。
曽我事件とは
建久四年(1193年)に起こった、曽我事件。
これは、曽我十郎祐成、五郎時宗の兄弟が、時の将軍・源頼朝の陣屋に押し入り、寵臣だった工藤祐経を惨殺、頼朝をも害せんとした、鎌倉幕府を震撼させる大事件である。
まだ若い彼らがどうして謀反を企てたのか。
それは、兄弟の悲しき宿命にあった。
突然の悲劇
物語は兄弟の父・河津三郎が突然亡くなるところから始まる。
三郎が亡くなったのは、曽我十郎祐成(一萬)が5つ、曽我五郎時宗(箱王)がまだ3つの時。
母である満江は夫である三郎の死を嘆き、幼い兄弟に仇討ちを頼む。
ここから二人の18年にわたる復讐劇が始まったのだった。
復讐に燃える二人
その後、母子三人は、母の再婚相手である曽我氏の元で過ごすことになるのだが、ある日、連れ子であることを馬鹿にされてしまう。
自分たちが曽我氏の本当の子ではないと知った時宗(箱王)は、兄から本当の父親のことを聞かされ、愕然とする。
そして、父の命を奪った宿敵・工藤祐経を討たんと策を巡らし、日々修練に励むのだった。
しかし、世は源頼朝の時代。
仇討ちは御法度とされていた時代であり、ましてや頼朝の寵臣である工藤祐経を討とうなど言語道断である。
母は二人を案じ、仇討ちを諦めるように諭すものの、二人は諦めることは無かった。
そして、二人の仇討ちを知った工藤が、曽我兄弟を始末しようと動き出す。
頼朝に命を狙われる曽我兄弟
工藤は「かつての将軍の敵である、伊東祐親の孫が二人生き残っている。将来必ず、仇討ちにやってくるでしょう」と頼朝にささやく。
頼朝は二人の斬首を命じるものの、何人かの忠臣たちは、幼い兄弟の命を救ってくれと頼朝に頼み込む。
その後、頼朝の重臣・畠山の声もあり、二人は間一髪命を取り留めるのだった。