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【ケアマネジャーはらはら日記】

インフォメーション

題名 ケアマネジャーはらはら日記
著者 岸山 真理子
出版社 発行 三五館シンシャ/発売 フォレスト出版
出版日 2021年7月
価格 1,430円(税込)

 

「いらだちに直面する仕事」
介護支援専門員が向き合う
怒り、悲しみ、不安の正体
――人生の最終章を見つめて

本書を読んでもらえればわかると思うが、あらかじめ申しあげておく。
私は優秀なケアマネジャーではない。
書類整備などの実務に追いつけない。手際が悪く、機転がきかない。
お仕事小説やお仕事ドラマの主人公のようにいつになったら成長するのかとあきれながら、もう70歳も目前に迫ってきた。
――本書は、そんな私の極限状態における滑稽さも描いた。日記形式になっているが、すべて私が実際に体験したことである。

引用:フォレスト出版

ポイント

  • ケアマネは、利用者や家族の怒りや不安、悲しみに直面する“感情労働者”である。私は、利用者たちの苛立ちや怒りをすべて正面から受け止めようと決めた。

  • 地域包括支援センターのケアマネは、何年にもわたって高齢者の生活を見守り続けることも多い。

  • ケアマネの報酬はケアプラン作成料のみで、利用者の部屋の片付けや掃除をしても、無報酬だ。しかし、ケアマネのやりがいはこんな仕事の中にこそある。

サマリー

感情労働者

私たちケアマネは、利用者や家族の怒りや不安、悲しみに直面する“感情労働者”である。

左半身に麻痺がある「要支援2」の西村夕子さんは、URの団地にひとりで暮らしていた。

ある日、彼女が「新しいカーペットに取り替えたいんだけど、できない」とため息をついた。

特別な家事は訪問介護ではできないため、私は便利屋を紹介しようとしたが、夕子さんは断った。

3カ月後、次の訪問時のこと。

私が帰ろうとすると、

「あんた、何も気がつかなかったの!? カーペット、私が全部、この手で取り替えたんだよ!」

玄関先で夕子さんが爆発した。

「私がどんなたいへんな思いをして、カーペットを取り替えたと思う? どうせ他人事だもんねえ……」

怒鳴り声が涙声に変わっていた。

相談にのっているときは親身になっているつもりでも、彼女の左半身麻痺は私にとってたしかに他人事なのだ。

私は、利用者たちの苛立ちや怒りをすべて正面から受け止めようと決めた。

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