【熔ける 再び そして会社も失った】

インフォメーション
題名 | 熔ける 再び そして会社も失った |
著者 | 井川意高 |
出版社 | 幻冬舎 |
出版日 | 2022年6月 |
価格 | 1,760円(税込) |
カジノで106億8000万円を失い、会長辞任、獄中へ。そして懲役4年の刑期満了後に、再びカジノへ。
リベンジの舞台は韓国ソウルの「WALKERHILL」3000万円が9億円にまで増えるマジックモーメント(奇跡の時間)を迎える。
果たして、負けを取り戻す夢物語か、破滅への一里塚か。ギャンブラー井川意高によるバカラ放蕩記。
しかしその裏ではギャンブルよりも血がたぎる、現会長佐光一派による井川家排除のクーデターが実行されていた。
「大王製紙から井川家を排除し、自らの地位を盤石とするために、佐光は300億円も無駄金を上乗せして会社に損害を与えた。
「他人のカネ300億円で買った社長の座」は、さぞかし温く心地良いことであろう。これこそ特別責任ではないか。しかも、私の金額の3倍である。有罪とすれば懲役12年だ。」(本文より)
大王製紙を舞台にした血みどろ裏切りノンフィクション!
引用:幻冬舎
ポイント
- 大王製紙の社長や会長を務めていた時代、私はシンガポールとマカオのカジノで総額106億8000万円の現金を熔かしてしまった。そして、自分のポケットマネーだけではとうてい種銭が足りなかったので、大王製紙の関係会社から資金を融通し始めた。
- 私には、150万円まで減ったチップを23億円まで爆発的に増殖させた経験がある。ギャンブラーの世界では、こういう摩訶不思議な現象を「マジック・モーメント」と呼び、今一度、あのマジック・モーメントを味わえないものかと待ち望んでいるのだ。
- 大王製紙から井川家を排除し、自らの地位を盤石にするため、佐光は300億円もの無駄金を上乗せして会社に損害を与えた。「他人のカネ300億円で買った社長の座」、これこそ特別背任ではないのか。
サマリー
賭場
2018年6月、私はソウル郊外にある統合型リゾート「パラダイスカジノウォーカーヒル」に立っていた。
手元のカバンに現金3000万円を詰め込んで、脳裏はしだいに熱量を増していく。
「さて、この種銭を元に、今回はどこまで勝てるかな・・・」
大王製紙の社長や会長を務めていた時代、私はシンガポールとマカオのカジノで総額106億8000万円の現金を熔かしてしまった。
自分のポケットマネーだけではとうてい種銭が足りなかったので、大王製紙の関係会社から資金を融通し始めた。
大王製紙の創業家である井川家の3代目が国際電話を1本かけるだけで、いとも簡単に億単位の資金が送金されたからである。
2011年11月22日、私は会社法第960条の特別背任罪で、東京地検検察庁特別捜査部に逮捕された。
2016年12月14日、3年2ヶ月の刑期を終えた段階で仮釈放が認められ、残りの期間も静かに過ごし、懲役4年の刑期満了を迎えたのだ。
激しい取り調べを受け、刑務所までブチこまれたのである。
普通は骨身に染みて「バクチなんて二度とやるもんか」と心に期すものであろう。
だが私の頭脳には、勝負師としてすべてを賭け、命がけで戦っていた頃の記憶がたしかにあった。
私の戦いは、まだ終わっていなかったのである。