【交通誘導員ヨレヨレ日記】
インフォメーション
題名 | 交通誘導員ヨレヨレ日記 |
著者 | 柏 耕一 |
出版社 | 三五館シンシャ |
出版日 | 2019年7月 |
価格 | 1,430円(税込) |
全国55万人強の警備員の主流をなしている
「交通誘導員」の人間臭いドラマ
全国55万人強の警備員の主流をなしている
「交通誘導員」の人間臭いドラマを克明に描いた初めての作品。
通行人にクレーム入れられ、
現場監督に怒鳴られ、警察に注意され……。
それでも私は今日も路上に立つ。
●はじめにより●
ガス管工事会社専従の若い同僚が、
「警備員のことなんて書くことがあるんですか。
第一、面白い話なんてないでしょう」
と疑問を呈していたが、私はこう答えたものだ。
「それがたくさんあるんだ。
なぜなら交通誘導員は一般的に毎日依頼先も現場も同僚警備員も違うからね。
近隣住民やドライバーにもさまざまな人がいる。
年齢も違えば多様な価値観を持つ人間の集まるところにはドラマが生まれる。
私はそれを体験し見聞きしてきたから、面白くないはずがない」と。
日記形式の本文全項目はすべて私の体験が基になっている。
心身ともにヨレヨレになりながら奮闘した話もあれば、
滑稽な話、深刻な話もある。
同業の人にも警備の世界の知識がまったくない人にも
一読して何かを感じていただければ幸いである。
引用:フォレスト出版社
ポイント
- 本書で私は交通誘導警備員の知られざる実態と人間臭いドラマや、社会状況を意識しながら書いてみようと思った。日記形式の本文全項目はすべて私の体験が基になっている。
- 警備員も普通に働けば月18万円くらいになり、日払いもあり家がなければ寮もある。何らかの理由で、生活が土壇場に追い詰められた人にとって交通誘導員の仕事は社会との最後の”蜘蛛の糸”かもしれない。
- 警備員はあくまで協力をお願いする立場なので、コミュニケーション能力が試される。高齢者は若い人に能力的に劣ることが多いが、コミュニケーションという面では年の功もあるのだ。
サマリー
”最底辺の職業”の実態
交通誘導警備員は全国でおよそ55万人強(2017年末)近くいる警備員の主流(約40%)をなしている。
これだけ多い交通誘導警備員だが、その実態は世間によく知られていない。
まして実体験者のレポートは皆無に近い。
私はこの仕事を出版編集・ライターの傍らおよそ断続的に2年半ほど従事するうち、超高齢化社会に進む現代日本の縮図がここにあると気づいた。
私も今年(2019年)73歳になった高齢者だ。
本書で私は交通誘導警備員の知られざる実態と人間臭いドラマやそんな社会状況を意識しながら書いてみようと思った。
日記形式の本文全項目はすべて私の体験が基になっている。
心身ともにヨレヨレになりながら奮闘した話もあれば、滑稽な話、深刻な話もある。
同業の人にも警備の世界の知識がまったくない人にも一読して何かを感じてもらえれば幸いだ。
なおかつ面白く読んでいただければさらに嬉しい。
警備員のリアルなフトコロ事情
これまで私が勤めた警備会社4社について言えば、おしなべて9000円前後の日当を払っていた。
しかし、社員契約の警備員は厚生年金や雇用保険料を天引きされるので、かなり頑張らないとさほど手元に残らない。