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【サピエンス全史 上: 文明の構造と人類の幸福】

インフォメーション

題名 サピエンス全史 上: 文明の構造と人類の幸福
著者 ユヴァル・ノア・ハラリ(著)/ 柴田 裕之( 訳)
出版社 河出書房新社
出版日 2016年09月
価格 2,090円(税込)

国家、貨幣、企業……虚構が他人との協力を可能にし、文明をもたらした! ではその文明は人類を幸福にしたのだろうか? 現代世界を鋭くえぐる、50カ国以上で刊行の世界的ベストセラー!

引用:河出書房新社

ポイント

  • サピエンスは15万年前にはすでにアフリカで暮らしていたが、他の人類を絶滅に追い込み始めたのは7万年ほど前であった。それまでの8万年間、太古のサピエンスは外見が私たちとそっくりで、脳も同じくらい大きかったが、他の人類に対してこれといった強みもなく、とくに精巧な道具も作らず、格別な偉業は一つも達成していなかった。

  • サピエンスがここまで発達した原因は何だったのだろう。最も広く信じられている説によると、たまたま遺伝子の突然変異が起こり、脳内の配線も変わって、それまでにない考えや、新しい種類の言語を使って意思疎通したのではないかと言われている。

  • 人間は、日の出から日の入りまで種をまき、作物に水を与え、雑草を抜き、青々とした草地にヒツジを連れていった。こうして働けば、より多くの果実や穀物、肉が手に入るだろうと考えたのだ。これが人間の暮らし方における革命、すなわち「農業革命」である。

サマリー

認知革命

サピエンスの認知的能力

サピエンスは15万年前にはすでにアフリカで暮らしていたが、他の人類を絶滅に追い込み始めたのは7万年ほど前であった。

それまでの8万年間、太古のサピエンスは外見が私たちとそっくりで、脳も同じくらい大きかったが、他の人類に対してこれといった強みもなく、とくに精巧な道具も作らず、格別な偉業は一つも達成していなかった。

学者たちはこのような乏しい実績に照らして、サピエンスの脳の内部構造は、おそらく私たちのものとは異なっていたのだろうと推測した。

だが、およそ7万年前から、サピエンスは非常に特殊なことを始めたのだ。

彼らは、ネアンデルタール人をはじめ、他の人類もすべて中東から追い払ったばかりか、地球上から一掃してしまった。

サピエンスは驚くほど短い期間でヨーロッパと東南アジアに達し、それまで人類が足を踏み入れたことのなかったオーストリアにまで上陸したのだ。

その後人類は、船やランプ、弓矢、針(暖かい服を縫うため)を発明し、芸術と呼ぶにふさわしいシュターデルのライオン人形まで彫ったのである。

これら前例のない偉業は、サピエンスの認知的能力に起こった革命の産物であり、私たちと同じくらい高い知能をもち、創造的で繊細だったと研究者たちは言い切る。

このように、7万年前から3万年前にかけて見られた、新しい思考と意思疎通の方法の登場のことを「認知革命」という。

虚構が協力を可能にした

サピエンスがここまで発達した原因は何だったのだろう。

最も広く信じられている説によると、たまたま遺伝子の突然変異が起こり、脳内の配線も変わって、それまでにない考えや、新しい種類の言語を使って意思疎通したのではないかと言われている。

伝説や神話、神々、宗教は、認知革命に伴って初めて現れた。

虚構、すなわち架空の物事について語る能力が、サピエンスの言語の特徴として異彩を放っていたのだ。

現実には存在しないものについて語り、ありえないことを信じる虚構は、なぜ重要なのだろうか。

なにしろ、虚構は危険であり、虚構のせいで人は判断を誤ったりする。

だが、サピエンスは虚構のおかげで、単に物事を想像するだけでなく、無数の赤の他人と著しく柔軟な形で協力できるようになった。

だからこそ、サピエンスは世界を支配できるようになったのだろう。

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