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「本の要約は意味がない」は本当?理由を考察してみた

読むのに必要な時間 約 7 分

昨今、「時短」、「タイパ」という言葉が注目され、その波は「本」に関しても例外ではありません。

そこで、本の要約サイトや要約動画について調べると、

「本の要約なんて、意味がない」という意見が出てきます。

果たして、「本の要約を読むことは、意味がないのか?」

早速ですが、この記事の結論は、以下の通りです。

「本の要約を読むことには意味がある。ただし、要約だけを読んで、本の内容すべてをわかった気になってはいけない」

「要約を読んで気になった本は、必ず実際に手に取って読んでください」(電子書籍でもOKです)

本記事では、「本の要約を読んでも意味がない」といわれる理由を、要約のプロが考察します。

「わかった気になるな!」要約の特徴と活用方法

①要約はすべてではない

要約は、当然ですが文字数がかなり限られます。

本の要約サイトは、およそ1冊あたり、5分から10分程度で読める文量。

実際に本を読むと数時間かかる内容を、5分から10分で読める文量で要約しているので、どれだけ上手な要約家であっても、すべての内容を網羅することはできません。

「じゃあ要約なんて読んでも意味ないんじゃないか?」

そんなこともありません。

なぜなら、要約を読むのと、実際に本を読むのは「役割/目的が違うから」です。

読書は、体系だてて知識を整理されており、「網羅的」であるのに対して、要約は、短時間で本の要点を学べる「効率性」を重視しています。

ですので、自由に使える時間もお金もたくさんあるのであれば、体系的で網羅的な書籍を読むことをお勧めします。

ですが、様々な娯楽が溢れ、仕事や家事、育児があり、読書に使えるお金も時間も限られる人にとっては、常に気になった本を読み切れるわけではありません。

そういう方は、まずは要約サービスなどで「短時間で」「効率的に」著者が伝えたいエッセンスを読み取り、その内容について、ご自身にあてはめて思考してみてください。

そして、先述の通り、要約がすべての内容を網羅しているわけではないので、要約を読んですべてを理解した気にはならず、

要約を読んで気になった本については、実際に買って読んでみてください。

要約を読むことで、効率的に学びつつ、自分にとって必要な本当に読みたい本がみつかり、事前に要約を読んでいるからこそ、本の内容も頭に入りやすくなるものです。

②「具体例やストーリー性がないから意味ない」は論点違い

先述の通り、本の要約は、何万文字もある本の内容をキュッとまとめていますので、その過程で、具体例がカットされたり、ストーリー性が失われる部分はあります。

そうした背景から、要約には具体例やストーリー性がないので、主張の裏付けが弱く、「腑に落ちない」「学びにならない」という意見もあります。

ただし、実際に要約を制作してみるとわかりやすいのですが、限られた文字数で何を読者に伝えたいか、与えたいかというのは、本によっても、制作者によっても、かなり異なるものです。

例えば、複数伝えたいことがある本の要約をする際、文字数が限られているからといって、背景となる具体例や事例すべてを削除して、結論だけを羅列する要約は、簡単につくれますが、読み応えがありません。

こういう場合は、著者がターゲットとしているであろう読者層に対して、どういう内容が伝わればいいかを考え、いくつかの結論を厳選し、その背景となる事例や具体例も紹介することで、短くても非常に読み応えがある要約になり、「本を買ってもっと読みたい」と思えるものです。

さらにいえば、先述の通り、要約と読書は、制作者側の目指すゴールも、読者が得られるメリットも違います。

ですので、「(文字数が少ない分)具体例やストーリー性が減る傾向がある。」とは言えますが、

「ストーリーや具体性がないから心に響かず、記憶に残らない」というのは、その要約に対する感想であって、「要約は意味がない」といったように、一般化できるほどの普遍的な回答ではないと考えています。

書籍の内容やジャンルによりますが、プロが作る要約は、短時間で読めるものであっても、そこには起承転結があり、読み応えがありますので、ぜひ一度、ご自身で読み比べてみることをおすすめします。

③「要約では知識が定着しない」のは使い方の問題

要約を利用する人の中には「短い要約で効率的に知識を得たい!」と考える方は多くいます。

ですが、実際に使ってみたところ、「あまり知識が定着せず、身にならなかった」という声もあります。

この背景には、

「具体例やストーリー性が削られていたため、腑に落ちずらかった」

「(そもそも要約で効率的に読みたいと考える傾向から)一度読んだ要約を”読みっぱなし”にしている」

があると考えています。

たしかに、前者の具体例やストーリー性が削られる部分は一定あるでしょう。

ですので、要約を読んで、「この知識は身につけたい」、「もっと詳しく知りたい」と思った場合は、「良い本に出合うチャンス」だと思って、本を手に取って読み、深い学びにつなげてみてください。

一方で、後者の「読みっぱなし」に関しては、要約の使いかた次第で、知識の定着率が大きく変わってきます。

本の要約に限らず、勉強でも仕事でも読書でも、学んだ内容というのは、すぐに忘れます。

「私はすぐ忘れない!」という方は、無意識に以下の知識定着方法を行っているか、もともと頭が良い人なんだと思います。

普通の人であれば、たとえ実際に本を読み切ったとしても、そこから何もしなければ、おそらく数日後には本の内容すらほとんど説明できなくなるでしょう。

そうならずに、知識を定着させるには、「繰り返し読むこと」、「読んだ内容をアウトプットすること」によって、何度も頭に知識を入力していく必要があります。

そしてそれは、本の要約からの学びであっても同じことが言えます。

本の要約サイトでは、主に以下の方法でこれらを達成することができます。

繰り返し読んで学ぶ方法

・「本棚」などに気に入った要約を登録することで、何度も読み返す

・気になった言葉や文章を、本棚などに登録し、いつでも読み返せるようにする

読んだ内容をアウトプットして学ぶ方法

・要約サイト内の「レビュー」などの機能を使って、自身の感じた内容を実際に文字に起こす

・SNS等に投稿する

 その際に、限られた文字数で自身の考えを整理したり、他の人との議論によって考えを深めていく

・学んだ内容を、日常で実践する

このように、要約サイトの機能や外部のサービス、実生活で、要約で得た学びを繰り返し学び、アウトプットしていくことで、初めて知識が経験へと変わり、「本の要約から学んだ」といえるのです。

④書評と要約は区別すべし

話はそれますが、書評と要約の違いを説明できますか?

様々な切り口があると思いますが、簡単に違いを述べるならば、書評は「(書評制作者の)意見や主観がはいっているもの」、要約は「(要約者の)意見や主観が入っていないもの」だと考えています。

ですので、書評は純粋に本の内容をまとめたものというよりは、本の内容の対する、読み手(書評制作者)の感想や意見が混ざっています。

つまり、書評を要約だと誤認して読んだり聞いたりすると、本来その本が伝えたい内容とは異なる形で情報をキャッチしてしまったり、その結果、「要約は意味ない」と結論づけてしまう可能性があります。

要約の意味があるかないかは、要約を読む人の目的や使い方次第だと思いますが、書評を要約だと誤認しないためには、その部分を事前に確認・理解したうえで読み進める姿勢が必要です。

まとめ

本の要約は、効率的に知識を得るための有用なツールです。

目的や使い方によっては「要約は意味がない」という感想になるかもしれません。

ですが、ここまでお読みいただいた方であれば、

「自分は要約サービスを使って学ぶべきなのか」

「どのように使えば要約の効果を引き出せるのか」

の基準ができたり、実生活で活用するイメージができていると思います。

繰り返しになりますが、要約と読書は「役割/目的が違う」という点に留意し、どちらか一方だけでなく、双方を賢く上手に使い分けることで、限られた読書の時間・お金の価値を最大化することに繋がります。

そして、本の要約サービス「サマリーオンライン」では、毎月20~30冊の本の要約や小説の紹介記事を追加しています。

公開されている要約は、著者様や出版社様の確認・許諾を受けているので、安心して高品質な要約をお楽しみいただけます。

また、本棚でお気に入りの要約を管理できたり(繰り返し学習)、要約の感想を書いて見直せたり(アウトプット)、読書傾向を分析するツールがついていたりと、要約の学びを定着し、快適に楽しめる沢山の機能もついています。

無料で一部の要約が読めたり、全書籍を7日間無料で読むことも可能ですので、まずはぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

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