【あなたの体は9割が細菌】
インフォメーション
題名 | あなたの体は9割が細菌 |
著者 | アランナ・コリン 著 矢野 真千子 訳 |
出版社 | 河出書房新社 |
出版日 | 2016年8月 |
価格 | 2,200円(税込) |
ポイント
- 肺炎は、単一の原因による病気というよりは多様な症状を示す病気の総称といった方がふさわしく、ウイルス、細菌、菌類、寄生性原虫など広範な微生物によって引き起こされる。
- ウイルスが肥満に関与しているかもしれない。
- 何かしらの腸への感染症により腸内微生物の共同体、つまりマイクロバイオータの足並みが乱れると不調をきたすようになる。
サマリー
はじめに
あなたの体のうち、人の部分は10%しかない。
あなたが「自分の体」と呼んでいる容器を構成している細胞1個につき、そこに乗っかっているヒッチハイカーの細胞は9個ある。
あなたという存在には、血と肉と筋肉と骨、脳と皮膚だけでなく、細菌と菌類が含まれている。
あなたの体はあなたのものである以上に、微生物のものでもあるのだ。
あなたは生まれた日から死ぬまで、アフリカゾウ5頭分の重量に匹敵する微生物の「宿主」となっている。
21世紀の病気
ヒトからヒトへ
20世紀の最初の10年間、病原性微生物の多くが猛威をふるい続けた。
人の病気の感染症は大きな割合を占めており、社交や探検といった人間ならではのふるまいが感染症の拡散を後押しした。
人口の指数関数的な増加に加え、かつてないほど人口密度が高くなったことにより、微生物がその生活環境を維持するのに必要な、ヒトからヒトへの移動がますます簡単になった。
アメリカで1900年に死因の上位を占めていたのは現在のような心臓病、癌、脳卒中ではなく、ヒトからヒトへ感染する病気だった。
肺炎、結核、感染性下痢症は3人に1人の命を奪った。