【死ぬほど読書】
インフォメーション
題名 | 死ぬほど読書 |
著者 | 丹羽 宇一郎 |
出版社 | 幻冬舎 |
出版日 | 2017年7月28日 |
価格 | 858円(税込) |
もし、あなたがよりよく生きたいと望むなら、「世の中には知らないことが無数にある」と自覚することだ。
すると知的好奇心が芽生え、人生は俄然、面白くなる。
自分の無知に気づくには、本がうってつけだ。
ただし、読み方にはコツがある。「これは重要だ」と思った箇所は、線を引くなり付箋を貼るなりして、最後にノートに書き写す。
ここまで実践して、はじめて本が自分の血肉となる。
伊藤忠商事前会長、元中国大使でビジネス界きっての読書家が、本の選び方、読み方、活かし方、楽しみ方を縦横無尽に語り尽くす。
引用:幻冬舎
ポイント
- 読書という行為は考えることを伴うので、得た情報が知識に直結しやすい。「何も知らない」と知ったうえで読書に向き合うことで、人は各段に成長するのである
- 論理的にものを考える力は、人がよりよく生きていくうえで欠かすことはできない。その力を鍛えるためには「考えながら読む」ことが大切だ
- 深く豊かな生き方には、たくさんの経験とたくさんの読書が欠かせないのである
サマリー
はじめに
大学生による、「本は読まないといけないものなのか?」という新聞の投書が、大きな反響をよんだ。
現代人の読書時間が極端に減ってきているのは明らかであり、投書した学生と同じような考えを持つ人たちは、かなり増えているに違いない。
しかし、読書を軽視する人はとても大きなものを失っているように思う。
それは「自分の頭で考える」という知の力である。
読書はその力をこの上なく鍛えてくれ、自由な世界へ導いてくれるのだ。
本に代わるものはない
本の時代が復活する
本がかつてほど売れなくなったのは、ネット社会の影響であることは明らかだ。
しかし、ネットではでたらめなニュースや情報が飛び交っているという側面が問題視されてきた。
その点で本は、誰が発信しているかがはっきりしており、「信頼性」という強みがある。
書き手を信頼し、安心して読み進められる本は、その価値が再び見直されるのではないだろうか。
読みながら考えないと身につかない
同じことでも、本を通して知ることと、ネットを通して知ることには違いがある。
ネットで検索して得られるのは、断片的な情報だ。
「考える」という作業をしないから、知識にならないのである。
これに対して、読書という行為は考えることを伴うので、得た情報が知識に直結しやすいのだ。
「何も知らない」と知ったうえで読書に向き合うことで、人は各段に成長するのである。
どんな本を読めばいいのか
いい本を見抜く方法
本を買うときに決め手となるのが、目次である。
書店で本を手に取り、まず目次をじっくり読んでから購入する。
どういう内容の本なのか、どういう構成なのか、作者の意図や伝えたいことまで、だいたい見えてくるはずだ。
このように大枠を押さえておくことで、本編の理解も早くなり、読むスピードも上がる。
もちろん吟味してもはずしてしまうことも多々あるが、失敗するからこそ良い本に出会えたときの喜びも大きくなるというものである。
頭を使う読書の効用
「考えながら読む」ことを意識したきっかけ
論理的にものを考える力は、人がよりよく生きていくうえで欠かすことはできない。
その力を鍛えるためには、「考えながら読む」ことが大切だ。
著者が考えながら読むくせがついたのは、原稿を書くようになったことがきっかけである。
原稿を書くときは、取材で得た情報や資料で仕入れた知識を整理し、自分の考えを分かりやすく伝える工夫が必要だ。
そのためにはまず、考えながら読む作業が非常に重要だったのである。
この作業を積み重ねることで、論理的にものを考える習慣が身についてくるといえよう。