【世界でいちばん幸せな男: 101歳、アウシュヴィッツ生存者が語る美しい人生の見つけ方】
インフォメーション
題名 | 世界でいちばん幸せな男: 101歳、アウシュヴィッツ生存者が語る美しい人生の見つけ方 |
著者 | エディ・ジェイク / 金原 瑞人 |
出版社 | 河出書房新社 |
出版日 | 2021年7月 |
価格 | 1,562円(税込) |
私はヒトラーさえも憎まない――アウシュヴィッツ他の強制収容所に送られ、家族を殺された壮絶な体験から導き出したのは希望だった。人間が持つ絶望の淵から立ち上がる力を全世界に訴える感動の一冊。
引用:河出書房新社
ポイント
- わたしは一世紀を生きてきて、悪を間近にみることがどういうことか知っている。人間の最悪を、死の収容所の恐怖を、わたしを含めすべての命を奪おうとする、ナチスの暴力を目にしてきたのだ。
- 1944年、ポーランドで一番きびしい2月に、列車はアウシュビッツ第二強制収容所のある駅に到着した。プラットフォームでは、死ぬまでアウシュビッツで奴隷として働く体力が残っている者と、まっすぐにガス室に連れていかれる者に分けられた。
- 辛く苦しい日々の中、幸せだった昔の生活を思い出させてくれるのは、親友のクルト以外になかった。当時のわたしにとって、クルトとの友情ほど大切なものはなかったのだ。
サマリー
新しい友へ
わたしは一世紀を生きてきて、悪を間近にみることがどういうことか知っている。
人間の最悪を、死の収容所の恐怖を、わたしを含めすべての命を奪おうとする、ナチスの暴力を目にしてきたのだ。
しかしいま、わたしは世界一幸せな人間だと思っている。
今まで生きてきて学んだことは、「人生は美しいものにしようと思えば美しいものになる」ということだ。
幸せは選ぶことができるし、選ぶかどうかは自分次第なのである。
お金より大切なものはたくさんある
わたしは1920年、ドイツ東部にあるライプツィヒという街で生まれた。
わが家は大家族で、みな愛情深く、愛国心とドイツ人としての誇りをもつユダヤ人であった。
家族のために懸命に働いてくれた父のおかげで何不自由なく育ったが、折あるごとに、わたしに教えてくれたことがある。
「もし運よくお金といい家に恵まれたら、恵まれていない人を助けなさい」「人生で大切なことはただ一つ、幸運は分け与えるものだよ」と。
友人、家族、親切は、お金よりもはるかに貴重だと言っていた。