【怠けてなんかない ゼロシーズン―読む・書く・記憶するのが苦手になるのを少しでも防ぐために】
インフォメーション
題名 | 怠けてなんかない ゼロシーズン―読む・書く・記憶するのが苦手になるのを少しでも防ぐために |
著者 | 品川裕香 |
出版社 | 岩崎書店 |
出版日 | 2011年2月1日 |
価格 | 1,430円(税込) |
入学前の子どもの、どんなサインでディスレクシアと気づくのか。気づいたら、なにをすべきか。子どもの特性に気づき、正しい対応をするためのディスレクシアの入門書。
引用:岩崎書店
ポイント
- 脳の機能不全があるなら、学び方や学ぶ時間が異なってくるため、「教え方」を変えていかなければならない。そのためには、少しでも早く子どものニーズを知り適正に介入(指導・支援など)することだ。
- ディスレクシアのある子ども向けの指導がエビデンスベースで確立しているわけではないので、「今できることを少しでもやる」ことが大事なのである。
- 社会に出る前に、得意な点と苦手な点を知って自己理解を深めたり、苦手なことを少しでも改善すべくニーズに応じた指導を受けて訓練したり、苦手さを補う外部脳(IT機器など)などの使い方を学んでいることで、のちの人生が驚くほど変わったというような人たちもたくさんいる。
サマリー
はじめに
発達的な課題は脳の機能不全から起こる。
まだまだ諸説わかれるところだが、ADHD(注意欠陥多動性障害もしくは注意力欠如多動症候群)にしても、LD(学習障害)にしても、アスペルガー症候群など自閉症スペクトラムにしても、広汎性発達障害にしても「脳の機能不全」という点に関しては同じだ。
脳の機能不全があるなら、学び方や学ぶ時間が異なってくるため、「教え方」を変えていかなければならない。
そのためには、少しでも早く子どものニーズを知り適正に介入(指導・支援など)することだ。
そうすることで発達的な課題と思われる状態像を少しでも改善することができるというエビデンスがあるのだ。
それが脳の機能不全に共通する “利点”でもあると著者は考える。
だからこそ、子どもの課題に一日でも早く気づき、発達的な視点に基づきニーズを踏まえたうえで仮説を立て、目的を設定し、戦略的に指導していくことが必須だと確信する。
本書は
①子どもたちの状態像を発達的な視点でとらえ
②背後に潜むかもしれない課題を想定し
③家庭や幼稚園、保育園、小学校などで日常的に導入できる訓練方法を紹介している。
本要約では、ディスレクシアという障害がどのようなものかを紹介し、子どもの課題に少しでも早く気づくための方法を中心に紹介する。
ディスレクシアって、なに?
ディスレクシアの特性
ディスレクシアとは読み書きのLD(学習障害)とも言い、知的発達に遅れはなく、聴力・視力の機能も正常なのに、中枢神経系になんらかの機能不全があり、文字という「記号」と言葉の「音」が結びつきにくくなって、読み書きに関して特徴のあるつまづきや習得の困難を示す機能障害である。