【10代から知っておきたい 女性を閉じこめる「ずるい言葉」】
インフォメーション
題名 | 10代から知っておきたい 女性を閉じこめる「ずるい言葉」 |
著者 | 森山 至貴 |
出版社 | WAVE出版 |
出版日 | 2023年1月 |
価格 | 1,650円(税込) |
Twitterで大きな反響を呼んだ話題書、待望の新刊!!
差別を考える社会学者が、女性が浴びせられがちな「ずるい言葉」から逃れる手がかりを伝授!
「女性のわりには話が通じるね」
「子どもがいないからできることだね」
「女の子に淹れてもらったお茶はおいしい」
「そんな恰好してるのも悪いんじゃない?」
「その年まで独身なら結婚(出産)は考えてないんでしょ?」
「女を捨ててるね」
日頃から社会でもSNSでもよく耳に、そして目にする言葉です。
でも、なんだかモヤモヤしませんか?
そしてモヤモヤしつつも「まったく的外れではないし……」と受け入れてたり、
あるいは聞き流してしまったりしていませんか?
これらはすべて、女性を勝手に区別したり、枠にはめこもうとしたりする「ずるい言葉」です。
こうした言葉がなぜ人の口から発せられてしまうのか、そこにどんな意図や背景があるのかを、
気鋭の社会学者が丁寧に分析・考察していきます。
また、そういった言葉を浴びせられてしまったとき、どのように考え、
対処したらいいのかについてのヒントも、各項目ごとにまとめています。
刊行直後からSNSで多くの共感の声を集めた前著、
『10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』にならい、
理解を深めるための関連用語を解説するとともに、
本書ではさらに、著者がこうした言葉について考えるきっかけとなった関連書籍も紹介します。
まだまだ日本では、「女性=社会的弱者」。
「女性」であるという理由で“こうあるべき”を押し付けられたり軽視されたりしないよう、
自由に生きられるヒントをお伝えしていきます。
また、言ってしまいそうな側にいる人たちにもぜひ読んでほしいと思います。
引用:WAVE出版
ポイント
- 「〇〇か結婚か」という二者択一に乗る必要はない。女性のライフスタイルを、結婚や出産を経るか経ないかで二分する発想から離れよう。
- 「男中心」の環境とは、評価されるべき能力を男性だけが持っていると前提してしまう環境でもある。性別に関係なく「評価されるべき能力は何か」に焦点を戻す必要がある。
- 女性の自発的なお茶汲みでも、女性という属性と結びつけて評価するのは、「女の子はおいしくお茶を淹れられるべきだ」という期待の押し付けとなる。
サマリー
はじめに
相手を瞬間的に傷つけたり、その自由な言動をさえぎったりする「ずるい言葉」を浴びせられるのは、圧倒的に女性が多いようだ。
本書は、女性が浴びせられる「ずるい言葉」を集めて、それらの言葉から逃れるための手がかりを考えてみた本である。
“女の人生”を勝手に区別する言葉
「その年まで独身なら結婚は考えてないんでしょ?」
女性A「推しのコンサート、楽しかった。推し中心の生活も悪くない」
女性B「それもひとつの生き方かもね。もうその年まで独身なら、結婚は考えてないんでしょ?」
「推し活」は、「ほかの何かや誰かを犠牲にしている」ことと考えられてしまう場合がある。
「結婚、出産などはもう諦めた」とみなす発言にも、このような発想が含まれている。
まず考えるべきは、「推し中心の生活であれば結婚や出産は不可能」という想定は間違っているということだ。
「推し活か結婚か」という二者択一に乗る必要はない。
さらに考えたいのが、「推し活」のような、女性が自分の意志で自分のためにおこなう行為は、結婚や出産と対比されることがじつに多いということ。
「女性は結婚や出産を経験すべき」といった「女性のあるべき姿」のルールがあるから、個人の意志による行動がそれらと対比されてしまうのだろう。
女性のライフスタイルを、結婚や出産を経るか経ないかで二分する発想から離れよう。