【お金の不安と恐れから自由になる! – 人生が100%変わるパラダイムシフト -】
インフォメーション
題名 | お金の不安と恐れから自由になる! – 人生が100%変わるパラダイムシフト – |
著者 | 由佐美加子 |
出版社 | ワニ・プラス |
出版日 | 2022年7月20日 |
価格 | 1,760円(税込) |
人生における悩みのトップ2は「お金」と「人間関係」だといっても過言ではないくらい、お金は現代を生きる人間にとって大きなテーマになっています。
インフレやエネルギーの高騰によってますます不安が増幅する今の社会。貯蓄や投資に関するたくさんのハウツー本や、ネットの情報でお金の増やし方が指南されていても、お金の悩みは解決されないどころか、ますます深刻化しているのではないでしょうか。
本書は数千人の不都合な現実に関わる中で、人間の無意識にある世界を構造化することで可視化し、気づきを通して現実の事象は自然に変化する、という手法「ザ・メンタルモデル」を開発した著者が、お金に関わる無意識の働きの扱い方について書き下ろしたものです。
何かを“する”ことでお金の悩みを解決するのではなく、自分の内側にある恐れや無自覚にある思い込みに“気づく”ことが現実に起こる体験を変える、という観点から自分のお金の扱い方を捉えたときに、見えてくるものとは…?
人の安心や幸せは、所有するお金の量で決まるのではなく、「受け取り」「与える」つながりの中にいることにどれだけ意識的になれるかにかかっている、という新しい意識への転換を問いかける一冊。
引用:ワニブックス
ポイント
- 本書で紹介している「宇宙銀行」という原理は、豊かさは所有量ではなく、循環しているフローにあると捉える。
- エネルギーが循環する流れを起こす要素は3つある。外側から自分の中に「受け取る」、自分の中から外へと「与える」、必要なものを外に「求める」。この3つの要素を通してエネルギーが絶え間なく流れていくイメージだ。
- 宇宙銀行に循環する愛のエネルギーを単位として言葉にするなら、この「徳」が一番近いかもしれない「徳」は、自分以外の命に貢献するエネルギーだと考える。
サマリー
お金を循環するエネルギーと捉える
お金に関する不安を解消するために、お金を稼ぐにはどうしたらいいか、もしくは、さらにお金を増やすためにはどうしたらいいかというノウハウや知識は、この本にはない。
お金を増やすハウツーを求めている方にはまったくの期待外れになるだろう。
しかも著者は、財を成したお金持ちでもなく、裕福とは言えないが貧乏でもない、ごく一般的な家庭に育った。
それなのに、なぜお金をテーマにした本を書いたのか。
それは、人の抱える悩みのトップ2のテーマが、常に「人間関係」と「お金に対する不安」だからだ。
本来、お金は人間が生きるうえで必要なこと、求めていることを満たせる、優れた「手段」だ。
お金を受け取ること、お金を使うことで「どんなことが満たせているのか」に意識的になることは、とても大切なことだ。
お金は人が命にあるニーズを満たすための「手段」であり、お金自体がニーズではない。
つまり、お金は生きる目的にはなりえないのだ。
しかし、そのお金が、なぜ人生を支配できるほどの不安や恐れ、執着になってしまうのだろうか。
一般的には、お金の不安を解消するためには、貯蓄や投資で所有量(ストック)をどう増やすのか、という量的な豊かさを目的にすることが当たり前になっている。
これに対して、本書で紹介している「宇宙銀行」という原理は、豊かさは所有量ではなく、循環しているフローにあると捉える。
その循環しているエネルギーがお金であると捉えたときに、「どういう意識と理解でお金というエネルギーを扱っていけば、心の平安と心が満たされた豊かさの中で調和的に生きることができるのか」ということに焦点を当てているのだ。
本書に書いてあることに同意をする必要はまったくなく、そう捉えてみたらどうみえるか、どう感じるか、という自身の感覚の羅針盤を使って、読み進めてほしい。
お金のストックとフロー
“お金持ち”という言葉に表されているように、お金は今、持つこと、つまり「所有する」ことに豊かさが置かれている。
たくさんのお金を貯蓄していれば豊かだと考え、お金の豊かさを「ストックの原理」で捉えている。
その概念で考えると、お金を失うことは自分の所有している豊かさが目減りする感覚になり、恐れを感じる。
このストックの考え方の反対にある概念がフローだ。
フローとは、循環して流れている状態と捉えてほしい。
例えば、呼吸は「吸う」と「吐く」という2つの行為が対になって流れの循環が起きている。これが、フローだ。
フローの豊かさは、身体の中に溜め込んだ酸素のストックの量ではない。
吸ったまま息を止めたら、苦しくなる。
フローは、吸って吐く、つまり外から自分の中に流れ込むものを受け取り、自分の中にあるものを外に出すことで、与える、この循環にあることが豊かさだと捉えるのだ。
生きとし生けるものはこのフローの原理の中で生命を営んでいる。
つまり、このフローは生命として存在するものの在り方であり、命にとって自然な状態なのだ。
人間も本当はこのフローの原理の一部であり、お金の使い方だけでなく、あらゆるエネルギーは、個体と個体の間を「受け取る⇔与える」という2つのベクトルの流れで循環しているのだ。