【弱者でも勝てるモノの売り方】
インフォメーション
題名 | 弱者でも勝てるモノの売り方 お金をかけずに売上を上げるマーケティング入門 |
著者 | 上杉 惠理子 |
出版社 | ぱる出版 |
出版日 | 2019年4月 |
価格 | 1,430円(税込) |
本書は、元・星野リゾート マーケティング部所属の著者による
ストーリーを通じて、マーケティングの基礎を学ぶ入門書です。
特長は大きく分けて2点。
1「これでもか! 」というくらい優しく
マーケティングとは、一部のマーケターに求められる難解な知識ではなく、
本来、子どもでも理解できるとてもシンプルなもの。
できる限り専門用語や難しい理論は省き、
誰でも使える実践的なものに絞って紹介しています。
2資金に乏しい「弱者」でも実践できるマーケティング
モノが売れない今の時代、
圧倒的な資金力で広告をガンガン出したり、
人海戦術的に営業を回らせたりできる「強者」なんてごくわずか。
本書の舞台である喫茶店「ワーグナー」の新米店長エミは、
家賃すら滞るオケラちゃん状態から、マーケティングを実践することで
自分のお店をV字回復に持っていきます。
「弱者が強者に打ち勝つための、武器としてのマーケティング」
これが本書のコンセプト。
たとえば、SNSのように
「お金をかけず、売上を伸ばせるモノの売り方」にしぼって
紹介しています。
マーケティング・セールス・企画・商品開発・広告・宣伝にかかわる人はもちろん、
商品・サービスを売る個人事業主・個人実業家にも必ず役立つ、
マーケティングの入門書ができました!
事業規模の大きい・小さいにかかわらず、幅広くオススメできる1冊です。
引用:ぱる出版
ポイント
- 「弱者が強者に勝つための、武器としてのマーケティング」これが本書のコンセプトだ。
- 「売らずに売れる」状況は、誰でもマーケティングで創り出せるのだ。
- 自社が提供できることと、顧客が求めることが重なる部分をバリューポジションといい、ここに位置する商品を作ることができれば、その商品は必ず売れるのだ。
サマリー
「売らずに売れる」状況を創るのがマーケティング
本書は、新米店長エミが潰れかけの自分の喫茶店を回復させるストーリーを通じて、マーケティングの基礎を学ぶ入門書だ。
マーケティングとは本来、商品・サービス(モノ)を売っている全てのビジネスパーソンが身につけるべき知識であり、特に経営者や個人の事業主・実業家には必須の知識だ。
主人公のエミのような「弱者」が、どんな状況にいてもマーケティングをできるよう、たとえばSNSのように「お金をかけず、売上を伸ばせるモノの売り方」にしぼって紹介している。
「弱者が強者に勝つための、武器としてのマーケティング」これが本書のコンセプトだ。
経営学の大家ピーター・ドラッカーは著書『マネジメント』で、「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである」と語った。
ムリな販売・営業をせずに、お客様のほうから「あなたの商品を買いたいです」「売ってください」と言ってもらえる状態をつくる「全ての活動」がマーケティングである。
効果的なマーケティングができると、たとえば次のようなプラスの状況をたくさん創り出せる。
・お客様が自ら買ってくれるので、お客様と良好な関係を築ける
・自社の商品・サービスが口コミで広がる
・広告や営業にかかる経費を削減できる
・価格競争に巻き込まれず、売りたい価格で売れる
・利益確保により新商品開発・人材育成・事業拡大に投資ができる
「売らずに売れる」状況は、誰でもマーケティングで創り出せるのだ。
「自社」スタートの3C分析でバリュープロポジションを創る
売らずに売れるマーケティングを考えるためには、「お客様が欲しがるものは何だろう?」「お客様が喜ぶものは何だろう?」と顧客視点で考えることが必須だ。
お客様の視点から商品や売り方を考えることを「マーケティング志向」という。
自分の日々の仕事のひとつひとつを、マーケティングの志向でやっているかな?と見直してみることが大切なのだ。
そのために有効なツールが、3C分析であり、コツは2つある。
その1 バリュープロポジションを考える
自分のお店=自社Companyが提供できること
お客様=顧客Costomerが求めること
周りのカフェ=他社Competitorが提供できること
これがマーケティングで考える基本の軸、3C分析だ。
自分のお店で提供できる商品やサービスがあり、その商品・サービスをお客様が欲しいと思う、他にその商品・サービスを提供するお店がなくて、ようやく商品は熱烈に求められる。
自社が提供できることと、顧客が求めることが重なる部分をバリューポジションといい、ここに位置する商品を作ることができれば、その商品は必ず売れるのだ。
その2 「自社」から考える
考えていく順番は、自社Companyから考えることがポイントだ。
自社Companyから3C分析を考える理由は、他にない独自の商品を生み出すためである。
みんなが顧客視点だけで商品を作れば、似た商品が並んでしまい差別化できなくなる「コモディティ化」に陥ってしまう。
顧客視点を入れることと、顧客視点からスタートするのとは大きな違いがあるのだ。