【日本の会社員はなぜ「やる気」を失ったのか】
インフォメーション
題名 | 日本の会社員はなぜ「やる気」を失ったのか |
著者 | 渋谷 和宏 |
出版社 | 平凡社 |
出版日 | 2023年11月 |
価格 | 1,045円(税込) |
1990年代半ば以降、市場や技術動向の激変に対応できず、競争力を失った日本企業――。
その凋落の一因に、会社員の「やる気」の無さがあるのは間違いない。米ギャラップ社が世界各国の企業を対象に実施した調査によると、日本企業の「熱意あふれる社員」の割合はたったの6%であった。これは調査した139カ国中132位で最下位クラスである。
では日本の会社員が「やる気」を失った原因は一体何なのだろうか?
過去30年にわたる日本企業のマネジメント(経営・管理・人事)の問題点を丁寧に検証し、私たちが再び「やる気」を取り戻して、日本企業が復活を遂げるための処方箋を提示する。
引用:平凡社
ポイント
- 日本の賃金水準は今や先進国で最下位の水準に落ち込んでいる。
- 「iPhone」も「2000円のラーメン」も日本人にとっては高額品になってしまった。法外な値付けに思えるのは、日本人の賃金水準が低すぎるからであろう。
- 山登りが苦手だったり興味を持てなかったりする人にとっては、重い荷物を背負って坂道を上り続けることなどストレスをもたらす苦役に他ならない。仕事はまさに山登りと一緒である。
サマリー
はじめに
本書を手に取ってくださったあなたは、もしかしたら日々の仕事に以前ほどの「やる気」を出せない自分にとまどいを覚えているのではないだろうか。
しかし、断言する。
あなたが悪いわけではない。
あなたの会社の過去30年にわたる経営が間違っていたのだ。
日本の産業・経済がかつての輝きを取り戻すには、社員がやる気を取り戻さなければならない。
その解を導き出すために、社員がやる気を失った原因を一つひとつ、検証していく。
「安い賃金の国」への転落
30年間上がらない賃金
30年にわたって据え置かれてきた日本の賃金水準は、今や先進国で最下位の水準に落ち込んでいる。
OECD加盟国38ヵ国の2022年の平均賃金を比較してみると、日本の平均賃金は4万1509ドルで、38ヵ国の中で25位にとどまり、アメリカ7万7463ドルの半分強の水準に過ぎないことがわかる。
日本より賃金が低い国はポーランドやハンガリー、チリなど経済的に低迷している国が中心である。