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【公共空間の景観力】

インフォメーション

題名 公共空間の景観力
著者 藤本 英子
出版社 同友館
出版日 2022年04月15日
価格 2,310円(税込)

 

景観法ができてから10年が過ぎ、各自治体の制度としては定着してきたものの、社会において「景観」についての理解が進んだとは言い切れない。

コロナ禍で、テレワークや「ワーケーション」と呼ばれる遠隔での働き方がますます増加する今、「働く場」「住む場」の重なりによる「暮らす場」(著者はそう呼ぶ)の環境をより意識する傾向が高まってきている。

人々の働き方が変わり、都市で生活する必要性が減少するなかで、人々はどの地域でどのような暮らしを目指すのか―。これまで都会で生活してきた人々は、どのような環境を求めるのか―。

これは、コロナ後の地域を考える重要なテーマであり、その時多くの人に選ばれる地域になるかどうかは、地域の景観のありようにも大きく左右されるのだ。

そして日常の生活空間に誇りを持つことは、シビックプライドとなり、そこに暮らす人々自身の自己肯定感も高まるに違いない。

独立時から30年来、「公共空間デザイナー」と名乗り、誰でもがアクセスできる公共空間のデザインを目指してきた著者が、地域に人を呼び込むセンスや環境づくりのポイントを、景観という新しい切り口でまとめた一冊。

引用:同友館

ポイント

  • 「シビックプライド」とは、自分が暮らす地域のありようや活動に誇りを持つことである。それは、自分自身のプライド、自己肯定感の高まりにもつながる。

  • 日本ではまだ個人の敷地の主張意識が強く、隣地との間に塀を立てることが常識になっている。

  • 京都市では、景観法に基づく景観計画、景観条例をいち早く作成し、活用に努めた。

サマリー

はじめに

まちの景観は住む人々の思いが現れており、まちの景観が人々の暮らし方をコントロールしているとも言える。

筆者は、このような地域と人々の暮らしを変える力を「景観力」と名付けた。

地域が景観で魅力を高めたり美しさを増すことを「景観力」がある、高い、という使い方をする。

シビックプライドを支える景観のデザイン

「シビックプライド」とは、自分が暮らす地域のありようや活動に誇りを持つことである。

それは、自分自身のプライド、自己肯定感の高まりにもつながる。

窓が割れているのを放置すると犯罪が起こりやすくなるのと同様に、景観を乱すことは、ちょっとしたきっかけから始まる。地域に愛着を持って心をかけていくことこそ大切である。

そして、プライドという見えないものを見えるものにするのが景観デザインの役割である。

景観という分野に特化してまちづくりを行う場合もあるが、地域のまちづくり活動では、オープンガーデンの取り組みや清掃活動など、様々なテーマが景観力の向上に繋がっている。

公共空間とは何か

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