【なぜ、あの会社は顧客満足が高いのか】
インフォメーション
題名 | なぜ、あの会社は顧客満足が高いのか |
著者 | 黒岩健一郎 牧口松二 編著 福冨言 川又啓子 西村啓太 著 |
出版社 | 同友館 |
出版日 | 2012年10月 |
価格 | 2,200円(税込) |
本書はオーナーシップが顧客満足度の向上をはかることを証明する上で2章から6章まで5つのサービス分野から2社取り上げ、それぞれ全く違う顧客満足を高める仕組みを解説し、また自社の組織にオーナーシップを導入する手がかりを提示している。
第1章 オーナーシップという鍵
第2章 リッツ・カールトンとスーパーホテル
第3章 スターバックスとドトールコーヒー
第4章 スシローと銚子丸
第5章 プルデンシャル生命保険とライフネット生命保険
第6章 ファーストリテイリングとユナイテッドアローズ
第7章 オーナーシップの二つの型
第8章 オーナーシップのつくり方
[付録]オーナーシップの診断票
引用:同友館
ポイント
- 従業員のサービス品質が高まれば、従業員満足が向上する。
従業員満足が高まれば、従業員の維持率が高まる。また、従業員の生産性も向上する。
これによって、サービスの価値が高まり、顧客は満足する。
- オーナーシップを導入する際には、顧客価値を再定義する。
つまり、どうやって儲けるのかというビジョンを再定義するのである。
- 顧客の購買行動を洞察し、理解することからすべて始まる。
サマリー
はじめに
企業経営において「顧客満足」が重要であることに異論を唱える人は、ほとんどいないだろう。
多くの企業の経営理念や企業理念には、「顧客満足」が謳われている。
理念に掲げるだけでなく、実際に顧客満足を向上させる活動に取り組んでいる企業も多い。
顧客満足の向上に取り組むときに、良く手本にされるのは、東京ディズニーリゾートだろう。
しかし実際には、東京ディズニーリゾートのようにうまくいっている企業ばかりではない。
本書が読者の企業の顧客満足の向上、ひいては業績の改善に少しでも貢献できることを願っている。
オーナーシップという価値
サービス・プロフィット・チェーン
サービス・プロフィット・チェーンは、サービス・マーケティングの研究分野で、収益性や成長性の源を説明するフレームワークとして生まれた。
「チェーン」という言葉が使われているのは、従業員への対応品質から業績までのいくつかの概念のつながりを示しているからである。
また、「サービス」という語が入っているのは、サービス業、とくに労働集約型サービス業で顕著に見受けられる傾向だからである。
ただ、製造業でも当てはまらないわけではない。
従業員のサービスの品質(内部サービス品質)を高めることが起点になる。
それが高まれば、従業員満足が向上する。
つぎに、従業員満足が高まれば、従業員の維持率が高まる。
また、従業員の生産性も向上する。
これによって、サービスの価値が高まり、顧客は満足する。
顧客は、製品・サービスに満足すると、また同じ製品を購入する確率が高い。
顧客の再購買率(顧客ロイヤルティ)が高まれば、売り上げも利益も向上するというわけである。