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【ワイルドサイドをほっつき歩け ─ハマータウンのおっさんたち】

インフォメーション

題名 ワイルドサイドをほっつき歩け ─ハマータウンのおっさんたち
著者 ブレイディ みかこ
出版社 筑摩書房
出版日 2020年6月1日
価格 1,485円(税込)

 

 EU 離脱の是非を問う投票で離脱票を入れたばっかりに、残留派の妻と息子に叱られ、喧嘩が絶えないので仲直りしようと漢字で「平和」とタトゥーを入れたつもりが、「中和」と彫られていたおっさんの話……

本を読むことを生きがいにしていたのに緊縮財政で図書館が子ども遊戯室の一角に縮小され、それでも諦めずに幼児たちに囲まれながら本を読むうち、いつしか母子たちに信頼されていくこわもてのおっさんの話……などなど、笑って泣ける21篇。

引用:筑摩書房

ポイント

  • 2020年1月31日に英国はEUを離脱した。国民投票の裏側には、EUの恩恵を受けられない労働者階級層の投票の影響があったかのようにいわれる。この本は、そんな英国の労働者階級の「おっさん」達について、英国に暮らす著者によってミクロの観点から書かれたものだ

  • 2010年に保守党が政権を握ってから、様々な分野で財政支出を削減してきた。無職期間が長い労働者の中には、図書館に通いつめて本を読み、特定の分野に無駄なくらい知識を蓄えたオタクがいるのだ。

サマリー

おっさんだって生きている

トランプ大統領が誕生したのも、EUからの離脱も、セクハラもパワハラも、政治腐敗や危篤権益がはびこるのも、全部おっさんのせいにされている。

彼らは、世の諸悪の根源であると、責められ続けているのだ。

英国では、特に「けしからん」存在と見られているのは労働階級のおっさんたちで、時代遅れで排外的、EU嫌いな右翼的愛国者だとされている。

だが、労働者階級のおっさんたちにも色々なタイプの人がいて、大雑把に括ってはいけない。彼らもまた、一介の人間であり、私たちと同じ「ヒューマンビーイング」なのである。

EU離脱と家庭不和

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