【欧州ポピュリズム ─EU分断は避けられるか】
インフォメーション
題名 | 欧州ポピュリズム ─EU分断は避けられるか |
著者 | 庄司 克宏 |
出版社 | 筑摩書房 |
出版日 | 2018年5月8日 |
価格 | 858円(税込) |
欧州連合(EU)が、ポピュリズム危機に揺れている。反移民の声は衰えず、ポピュリズム政党への支持は増え続けている。中東欧では政権を担う党すら現れた。いまや、欧州の政治は左右対立ではなく、親EUの既成政党と反EUのポピュリスト政党という対立軸で動いているのだ。ポピュリズムの台頭を招いた要因はなにか。EUの基本理念であるリベラリズムは守られるのか。その統治機構や政策から分析する。
引用:筑摩書房
ポイント
- 欧州ではポピュリスト政党が頭角をあらわしてきている。欧州金融危機、一部加盟国の債権問題、移民・難民問題などをきっかけに、大衆に支持されてきた。
- 欧州ポピュリズムはEU内部から発生している問題であり、政治的な排除は困難だ。しかし、放置すれば内部から徐々に衰退化していくと予想されるため、時間をかけて抑えて縮小させていくしかない。
サマリー
はじめに
ギリシャの債務問題が引き金となって、欧州債務危機が南欧諸国を襲った2009年10月以降、各国で急進左派のポピュリスト政党が台頭した。
また、100万を超える難民・移民が発生した2015年のシリア内線をきっかけとした難民危機では、EUの難民政策を糾弾する急進右派のポピュリスト政党が、西欧や北欧諸国で急速に支持を広げた。
2016年イギリスでEU離脱が採択された背景にはポピュリスト政党の存在があった。
その後2017年以降の各国で行われた国政選挙では、軒並み反EUポピュリスト政党が躍進した。
もはや一過性の問題ではなく、持続的な脅威となっている。
いま、欧州ポピュリズムが蔓延するなか、リベラリズムを標榜するEUはどこへ向かうのか。
まずは、ポピュリズムとは何かを伝えていく。