【シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感】
インフォメーション
題名 | シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感 |
著者 | 中野信子 |
出版社 | 幻冬舎 |
出版日 | 2018年1月18日 |
価格 | 836円(税込) |
「シャーデンフロイデ」とは、他人を引きずり下ろしたときに生まれる快感のこと。
成功者のちょっとした失敗をネット上で糾弾し、喜びに浸る。
実はこの行動の根幹には、脳内物質「オキシトシン」が深く関わっている。
オキシトシンは、母子間など、人と人との愛着を形成するために欠かせない脳内ホルモンだが、最新の研究では「妬み」感情も高めてしまうことがわかってきた。
なぜ人間は一見、非生産的に思える「妬み」という感情を他人に覚え、その不幸を喜ぶのか。
現代社会が抱える病理の象徴「シャーデンフロイデ」の正体を解き明かす。
引用:幻冬舎
ポイント
- 「シャーデンフロイデ」は、誰かが失敗した時に湧き起こってしまう喜びの感情のことである
- 集団を構成することで生き延びてきた人間は集団の崩壊を招く「不謹慎な人」を排除するために、人を叩く際に脳が「快楽」を感じさせるのだ。
- 「正しさ」から逸脱する人を叩き、他社から承認されることで快楽を得る「正義中毒」に私たちは陥っている。思考停止すると、その不寛容性に気づけず、多くの人を傷つける。
サマリー
シャーデンフロイデ
シャーデンフロイデとは
「シャーデンフロイデ」は、誰かが失敗した時に湧き起こってしまう喜びの感情のことである。
ドイツ語で、「シャーデン」は損害、毒という意味、「フロイデ」は喜びだ。
「なぜあの人だけが評価されていい思いをしているのか。許せない。」
そんなあの人に困ったことが起きた。
「いい気味だ。もっと痛い目に遭えば面白いのに。」
この感情の前半は妬み、後半がシャーデンフロイデである。
そんな感情を持っていることは恥ずかしく、受け入れがたいが、これは誰でも持っている心の動きなのである。
オキシトシンとシャーデンフロイデ
シャーデンフロイデは、「オキシトシン」と深い関わりをもっている。
オキシトシンとは、「愛情ホルモン」と呼ばれる物質であり、人間が安らぎを感じるときに働く。
人と人とのつながりを強めるが、裏を返せば、人と人とのつながりが切れてしまいそうなとき、それを阻止しようとする行動を促進するものでもある。
また、妬みの感情を強めることもわかっている。
オキシトシンは、妬みからシャーデンフロイデに至る一連の感情の流れを強めてしまう物質と考えることができる。