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【奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録】

インフォメーション

題名 奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録
著者 石川拓治
出版社 幻冬舎
出版日 2008年7月
価格 649円(税込)

リンゴ栽培には農薬が不可欠。誰もが信じて疑わないその「真実」に挑んだ男がいた。「死ぬくらいなら、バカになればいい」。壮絶な孤独と絶望を乗り越え、男が辿り着いたもうひとつの「真実」。

引用:幻冬舎

ポイント

  • 農薬を使わずにリンゴを育てる。それが木村秋則(あきのり)という男の夢だった。少なくともその時代、実現は100%不可能と考えられていた夢である。

  • 100年前からの日本のリンゴ栽培の先人たちが経験してきた、「農薬を使わない限り、その先に待っているのは、リンゴ畑の壊滅という結論しかあり得ない」との結論を、木村はたった一人で覆そうと突き進んだのだ。

  • 「自然の手伝いをして、その恵みを分けてもらう。それが農業の本当の姿なんだよ。自分は自然の手伝いなんだって、人間が心から思えるかどうか。人間の未来はそこにかかっていると私は思う。」

サマリー

奇跡のリンゴ

農薬を使わずにリンゴを育てる。

それが木村秋則(あきのり)という男の夢だった。

少なくともその時代、実現は100%不可能と考えられていた夢である。

奇跡のリンゴ。

木村が作るリンゴは、そう呼ばれていた。

とにかく手に入れるのが難しい。

彼のリンゴから作ったリンゴジュースの3分の1はある政治家に買い占められているとか、彼のリンゴで作った極上のスープを出すフレンチレストランが東京にあるのだけれど、1年先まで予約でいっぱいだとか。

30年近くの歳月を、リンゴの無農薬栽培にかけてきた人だ。

リンゴの無農薬栽培は、今現在ですら、不可能だと言う専門家は少なくない。

農薬を使わなければ、リンゴを収穫することは出来ない。

リンゴ栽培の歴史は、虫と病気との絶望的な戦いの歴史でもあった。

その戦場に差した一筋の光明が、農薬だったのだ。

農薬を使わずにリンゴを育てるなんて、世迷いごと以外の何ものでもない。

リンゴ農家なら、誰もがそう思う。

1冊の本との出合い

木村は、冬になり津軽平野が雪に埋もれると、本屋に出かけ、1年間の農作業の合間に湧いた疑問に答えてくれる本を探して読み耽る。

その本屋で出合ったのが、福岡正信さんの著作『自然農法』であった。

本の表紙には稲の写真があり、冒頭に「何もやらない、農薬も肥料も使わない農業」と書いてあった。

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