【起業家】

題名 | 起業家 |
著者 | 藤田 晋 |
出版社 | 幻冬舎 |
出版日 | 2015年8月 |
価格 | 638円(税込) |
2000年ネットバブル崩壊後、会社買収の危機だけでなく、業界の低迷で社内外から批判を浴びた日々。再びのネットバブルで親友・堀江氏に抱いた嫉妬心。
そして発生したライブドア事件。株価大暴落の中、進退をかけて挑んだ新事業の行方は?起業家の重圧と孤独、仕事の手腕と熱意すべてを赤裸々に綴り、働く意欲を搔き立てるノンフィクション。
引用:幻冬舎
ポイント
- 26歳の時、「史上最年少上場社長」などと私はもてはやされていたことがあります。しかし、当時はまだ上場企業の社長という役柄に中身が全く伴っていませんでした。
- 不可能を可能にするのが起業家です。
- 今でも変わらず、私は起業家なのです。
サマリー
はじめに
会社は毎年9月の決算に向けて全力を尽くしているけれど、何周年とかを目指しているわけではない。
でも、起業家藤田晋としての10周年は少し意味があるかもしれません。
サイバーエージェントは今日で10年。
従業員数1600名強、売上高は760億円の会社になりました。
昔、口にしても信じてもらえなかったことを、次々に実現してきた。
これからも起業家として背筋を伸ばし、新たな市場を勇気と気合を持って開拓していきたいと思います。
暗闇の中で
買収の危機
ネットバブルの崩壊から1年半が過ぎようとしていました。
バブル崩壊で、上場していたネット起業を襲った急激な株価の下落も、すっかり下値圏で定着していました。
投資家のネット企業に対する態度は”怒り”から”無関心”へと変わりつつありました。
2000年3月24日、ネットバブルの真っ只中に華々しく株式市場に上場を果たしたものの、その直後に訪れたネットバブル崩壊の憂き目に遭い、その後はずっと株価は低迷していました。
それに加えて、会社は深刻な事態に巻き込まれていました。
サイバーエージェントは買収に晒されていたのです。
私は、そこからなんとか脱出するために、自分の全精力をつぎ込んでいました。
その頃、サイバーエージェントが保有している現金よりも市場の株価が低かったために、現金目当てで買収し、赤字事業を整理すれば巨額の利益が出るような状況にあったのです。
そんな時、救いの手を差し伸べてくれたのが、楽天の三木谷浩史社長でした。
三木谷社長に助けてもらうような形で、私はぎりぎりのところで危機を乗り越えました。