【東京下町殺人暮色】
インフォメーション
題名 | 東京下町殺人暮色 |
著者 | 宮部みゆき |
出版社 | 光文社 |
出版日 | 1994年10月20日 |
価格 | 566円(税込) |
登場人物
・八木沢 順
13歳。中学1年生
・八木沢 道雄
順の父。警視庁捜査一課第七班
・幸田ハナ
家政婦。大正14年生まれ
・後藤 慎吾
順の中学校の友人。柔道部員
・川添警部
警視庁捜査一課第七班。指揮官
・速水 俊
所轄署刑事。新人
・篠田 東吾
本名篠田四郎。日本画家の異端児
・才賀 英雄
東吾の秘書。公認会計士
・才賀 英次
英雄の息子。大学法学部2年
・三坂先生
中学校美術教師。今年赴任したばかり
・相沢 めぐみ
事件被害者A
・浮田 聡子
事件被害者B
・大木 毅
順の中学同学年。チェーンレターの容疑者
・中川 安奈
映画好き。弟の悪行に悩まされる
あらすじ
※一部、ネタバレを含みます。
※本記事は要約記事ではなく、自身の言葉であらすじ及び感想を書いたものです。
新しい街・犯行声明
隅田川と荒川に挟まれた下町の借家で、八木沢道雄と息子順の生活が始まった。
道雄は警視庁捜査一課。
引っ越し先は職住近接で好都合だった。
この道50年の家政婦、幸田ハナを雇うと、順は直ぐにうちとけた。
11月の日曜日、荒川河川敷で散歩中の母子が、川を流れるビニル袋を目撃し、袋からはみ出た人頭髪を発見した。
一課から呼びだされた道雄は、荒川土手葛西橋近くでバラバラ死体を確認した。遺体は頭部と右手だった。
道雄は、所轄新人の速水刑事が第一発見者母子に接する姿に好感を持ち、捜査バディに速水を指名した。
道雄と速水は、通報のあったコスモ東大島マンション管理人の不法投棄を調べると、
何者かがバラバラ遺体の入った袋を駐車場に放置し、それを管理人が荒川へ知らずに投棄したことがわかった。
続く声明文から『日の出自動車』車中で頭部が発見され、鑑識は遺体の上あご前歯3本は差し歯と報告した。
ハナから「ある家で人殺しがあった。若い娘が殺された」と噂を聞かされた順は、後藤慎吾に噂を確認する。
噂の家は篠田東吾邸で、画家だった。
その夜、八木沢家の郵便受けに「しのだとうごはひとごろし」と書かれた便箋が投げ込まれた。
順は『篠田東吾』について美術教師の三坂に訊ねた。
三坂は、東吾の作品には、商業的価値と芸術性が両立しないと語り、代表作『火炎』の写真を順に見せた。
東吾に会おうと篠田邸へ向かった順は、塀に隠れる女と目が合った。
篠田邸内で順は、東京大空襲画『火炎』を見させてもらい、噂の件を訊いた。
すると東吾は「わたしを恨む敵はいっぱいいる」と答えた。
『傑作は火炎だけ』と寂しげに語る東吾を順は気の毒に思った。
殺人愉快犯
江戸川河川敷『高岡公園予定地』で右手と頭部欠損部の白骨化遺体が発見された。荒川の被害者A。
翌日、篠田邸玄関にバラバラ死体の右手一部が捨てられた。
それは日の出自動車の被害者Bのものだった。
やがて鴻巣市雑木林で腐乱死体が出た。