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【私はガス室の「特殊任務」をしていた 知られざるアウシュヴィッツの悪夢】

インフォメーション

題名 私はガス室の「特殊任務」をしていた 知られざるアウシュヴィッツの悪夢
著者 シュロモ・ヴェネツィア  / 鳥取 絹子 
出版社 河出書房新社
出版日 2018年04月
価格 968円(税込)

アウシュヴィッツ収容所で殺されたユダヤ人同胞たちをガス室から搬出し、焼却棟でその遺体を焼く仕事を強制された特殊任務部隊があった。生き残った著者がその惨劇を克明に語る衝撃の書。

引用:河出書房新社

ポイント

  • 臨時の仕事をやってくれるなら、配給のスープを2杯くれるというので引き受けたら、死体を小屋から出して焼却棟まで運ぶことだった。その後、わたしたちが配属されたのは「特殊任務部隊」であることを知った。

  • 人間は、特殊な状況になると自己中心的になり、逃げることしか考えなくなる、これがガスの効力だ。ガス室の戸を開けたときの光景は悲惨で、こんなことが起こりうるのかと到底思えないほどのものだった。

サマリー

はじめに

私はシュロモ・ヴェネツィア、1923年12月29日にギリシャのテッサロニキで生まれたイタリア系ユダヤ人である。

21歳のとき、第二次世界大戦中のアウシュヴィッツ強制収容所で、一部のユダヤ人に与えられた特殊任務部隊での仕事は、ユダヤ人たちの遺体処理というおぞましいものだった。

アウシュビッツでの最初の一か月

忘れられない体験がある。

到着してわずか数日後、看守がひとり私たちのところにやって来て、臨時の仕事をやってくれるなら、配給のスープを2杯くれるという。

空腹をいやすことが何よりも大切だった私たちは、全員がやることを望んだ。

仕事をするために選ばれたのは10人、干し草を運ぶような荷台を引かされ、検疫棟の端にある小屋まで行った。

小屋にはライヒェンケラー(死体部屋)との名前があり、戸を開けると死体が腐敗した悪臭が鼻を突き刺す。

臨時の仕事というのが、死体を小屋から出して焼却棟まで運ぶことだとわかっていたら、空腹で死んだほうがましだった。

その後、わたしたちが配属されたのは「特殊任務部隊」であることを知った。

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