【怠けてなんかない! サードシーズン 読む書く記憶するのが苦手な子どもたちが英語を学ぶとき】
インフォメーション
題名 | 怠けてなんかない! サードシーズン 読む書く記憶するのが苦手な子どもたちが英語を学ぶとき |
著者 | 品川裕香 |
出版社 | 岩崎書店 |
出版日 | 2020年2月14日 |
価格 | 1540円(税込) |
なぜ、読む書く記憶するのが苦手な子どもたち(ディスレクシア、LD、アスペルガーなど)は英語が苦手になるのか。具体的な指導のコツを教育関係者や親に向けて提案。
引用:岩崎書店
ポイント
- “ディスレクシアやLDを持つ人たちが、第二言語を習得する際の指導法は世界的に見ても研究が進んでいない”。それなのに、小学校で英語が教科化される?発達障害やディスレクシア、LDという診断のある子ども、さらにその”傾向のある子”はどうすればいいのか?
- ディスレクシアやLDなどの発達障害があるかどうかは、言語や心理、特別支援教育などの専門職による検査でアセスメント(評価)を受けなければわからない。多様な検査があるが、そういったすべてが「なぜできないか」を発見する際、とても大事だ。
- 母語である日本語でディスレクシアやLDのある子どもたちが英語を学ぶとき、いったいどうしたらいいのだろうかー。障害者権利条約を寄託した我が国は、英語を学習するという教育権をどう保障していくのか?
サマリー
ちょっと長い「はじめに」
英語を話せるけど、書けない帰国子女の苦悩
「がんばりたくてもこれ以上どうやったらいいのか、わからないだけなのに、だれも信じてくれない。帰国子女のくせに英語ができないはずがないって。ホントにホントにみじめで、もう生きていたくない」
本書を執筆時から23年前、そういう言葉とともにカッターナイフで血だらけになった手首の写真を送ってきたのは、友人の娘の14歳のサヤカ(仮名)だった。
彼女は友人の仕事の都合で小学4年から中学1年の半ばまでアメリカに住み、現地の小学校に通っていたときディスレクシアだろうという診断を受けた。
流暢に英語を話せたが、英文を音読するとたどたどしく、黙読も時間がかかり、単語も間違えてばかりのため、アメリカでは学習のサポートを受けた。
帰国後、転校先を相談した教育委員会にも、決定した中学校の校長や担任にも、LD(学習障害)であることを説明した。
しかし、英語の教師はサヤカを「外国に行ったことのない普通の日本人の中学生でも間違えないようなミスを、なんで帰国子女が連発するのか、サボっているだけだ」と、厳しく責め立てた。
サヤカのリストカットは、繰り返し叱責され、罵倒された末の出来事だったのだ。