【いじめない力、いじめられない力 60の“脱いじめ”トレーニング付】
インフォメーション
題名 | いじめない力、いじめられない力 60の“脱いじめ”トレーニング付 |
著者 | 品川裕香 |
出版社 | 岩崎書店 |
出版日 | 2014年7月31日 |
価格 | 1540円(税込) |
いじめる側、いじめられる側のどちらにもならないテクニックはトレーニングで身につく。いじめの要因を探り、それにうまく対処できる子どもにするための“脱いじめ”子育て術。
引用:岩崎書店
ポイント
- いじめなどの負の経験をしても立ち上がって、前に進む力を育てる必要があるのだ。犯罪などを研究する学者たちは、こういった力を「弾力(resiliency)」と呼び、将来、社会に適応していくときに必要なものだと科学的根拠(エビデンス)をあげて説明している。
- 犯罪学では、いじめなどの反社会的な行為を取る確率を上げるものをリスク要因、リスク要因による影響を下げるものを保護要因と言う。
- われわれ大人がすべきことは5年後、10年後に不適応をおこさないよう、少しでも保護要因を増やし、弾力をつけることである。
サマリー
はじめに
いじめられている子はもちろんのこと、いじめていると自認する子も、直接はいじめていないけれど、そばで見ていると言う子も、関わらないようにしている子も…
どの子も心の奥深いところでは、現状に強烈な恐怖と不安を抱き、絶望的な閉塞感に苛まれ、苦しく行き詰った日々を送っている。
私たち大人は、まず、このことを理解しなければならない。
そして、もう一つ、とても大事なことがある。
いじめのない社会(学校・学級)を目指すことは必須だが、いじめが起こらない前提に立ったり、いじめはいけないなどといった機械的な手法だけで子育てしたり、学校・学級を経営することは実質的ではない。
そうではなく、いじめなどの負の経験をしても立ち上がって、前に進む力を育てる必要があるのだ。
犯罪などを研究する学者たちは、こういった力を「弾力(resiliency)」と呼び、将来、社会に適応していくときに必要なものだと科学的根拠(エビデンス)をあげて説明している。
うちの子は、もしかしたらいじめられているのではないだろうか。
いや、うちの子がだれかをいじめているかもしれない…。
あるいは、うちのクラスや学校にいじめがあるかもしれない…。
そんなとき、私たち大人はどうしたらいいのだろうか。
その答えが、この「弾力をつけることにある」と著者は確信している。
そして、「弾力」こそが、「いじめない力」であり、「いじめられない力」なのだ。
本書では、なにが「弾力」か、また、どうやったら「弾力」をつけることができるのかについて解説する。
ただ、いずれも簡単に獲得出来るものではなく、いじめに対する特効薬だというわけでもない。
それでも、弾力を身につけて実質的に使えるようになることは、必ず子どもたちのためになると断言できる。
なぜなら、これまで取材してきた「いじめから生き延びた子どもたち」には保護要因となる「力」が複数備わり、いじめを乗り越える支えになったと説明できるからであり、犯罪学などのエビデンス通りだからだ。