【子がいない人の終活・手続きあんしん帖】

インフォメーション
題名 | 子がいない人の 終活・手続きあんしん帖 |
著者 | 佐々木 悦子 |
出版社 | 池田書店 |
出版日 | 2023年12月 |
価格 | 1540円(税込) |
子がいない人だけでなく、子がいても頼りたくない人、
子と疎遠になっている人にも役立つ一冊。
ひとことに終活といっても、物だけでなくデジタル資産の整理、財産の管理、
介護が必要なときにお世話やお金の管理をする信頼できる人の選定、
お葬式や遺産分割などの死後の手続き、残った資産の使い道など、
取り組むべきことが山ほどあります。
本書では、終活の各段階で、何をしたらいいか、
誰にどう託すのがいいか(契約など)について、わかりやすく解説しています。
「子がいなくても大丈夫」と安心して老後を過ごすために、
早くから情報を集め、対策に取り組むことが大事です。
引用:池田書店
ポイント
- 特に子がいない方の終活相談には、「経済的な問題」「健康上の不安」「孤独感」という「3K」の生活不安を解決したいという切実な願いが込められている。これからの終活は、自分で行動し解決する「自己力」を身につけ、「子がいなくても大丈夫」と思えるようになるための取り組みだ。
- 誰にも迷惑をかけず安心して老後を過ごしたいならば、判断力があるうちに「お金」と「人」をどれだけ備えられるかが鍵となる。
- 法的な効力をもつ遺言書をのこすためには、民法に定められた方式に従って正しく書かれていなければならない。法律で認められた方式には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類がある。
サマリー
この先もあんしんして過ごすために
著者は、過去20年間で3万人以上の方に終活について講演を行ってきた。
特に子がいない方の終活相談には、「経済的な問題」「健康上の不安」「孤独感」という「3K」の生活不安を解決したいという切実な願いが込められている。
これからの終活は、自分で行動し解決する「自己力」を身につけ、「子がいなくても大丈夫」と思えるようになるための取り組みだ。
3K問題を解決するために、なるべく早く人生設計の見直しを始めてほしい。
将来の収支をシュミレーションして必要に応じて再就職や財テクをし、できるだけ長く健康を維持しつつ、いざという時の協力者づくりに取り組むことだ。
この取り組みは介護が必要となるエンディングライフに大きな影響を与えるもので、「生ききる」ための人生の根回しなのだ。
終活には多くの課題が存在するため、何から手をつければいいかわからないという声も多い。
本書は、そのような方々に寄り添うために執筆した。
終活の各段階でどの情報を協力者に伝えるべきか、また託された側は何から始めればいいのかの指標としてもらえたら幸いだ。
安心のための備え
安心して過ごすための契約
誰にも迷惑をかけず安心して老後を過ごしたいならば、判断力があるうちに「お金」と「人」をどれだけ備えられるかが鍵となる。
頼れる家族が身近にいない人にとって心配なのは、自分が入院したり、施設に入ったりした場合にどうしたらいいのかということだろう。
そういう場合に備えるのが、財産管理委任契約だ。
この契約は、いざというときにやってもらいたいことをあらかじめ契約しておき、必要になったときに自分の意志で効力を発生させることができる。
ただし公的な契約ではないため、契約書があっても預貯金の引き出しを代行することができないこともあるので、注意が必要だ。
この契約の相手は、親族、友人、知人など誰でもかまわない。
また、費用はかかるが、司法書士、弁護士、社会福祉士などの専門家に依頼する方法もある。
なお、自分が認知症などで判断能力が不十分になった場合、この契約は利用できなくなり、法定後見制度の利用が必要になる。
死後を託す人を決めておく
人が亡くなった場合に必要となる手続きはたくさんある。
医師から死亡診断書を受け取り、葬儀前に死亡届と火葬許可申請書を提出し、葬儀を行う。
続いて、住民票の抹消や、年金、健康保険、介護保険などの手続きなども必要になる。
さらに、生命保険の請求や、病院などへの支払い、運転免許証やパスポートなどの返納手続き、ガス、電気、電話などの解約も必要になる。
こうした手続きをしてくれる家族がいない場合、信頼できる人と死後事務委任契約を結び、お願いしておくという方法がある。
死後事務委任契約は、いつでも、誰でも手続きすることができるが、認知症などで判断能力が不十分になる前に行う必要がある。
きちんとした効力を持たせるために、公正証書にする必要があるので、公証役場に相談して進めるとよい。
葬儀・お墓を考える
葬儀にはさまざまな種類がある。
故人にゆかりのあるたくさんの人に集まってもらい、2日間にわたり、通夜と葬儀・告別式を行う「一般葬」。
参列者を家族だけや家族とごく近い親族で行う「家族葬」や、通夜を行わず、葬儀・告別式のみを行う「一日葬」、更に簡素な「直葬」もある。
どのような葬儀にしたいかを決めたら、希望に合いそうな葬儀社を選び、生前に見積もりをとるとよい。