【成瀬は天下を取りにいく】

インフォメーション
題名 | 成瀬は天下を取りにいく |
著者 | 宮島 未奈 |
出版社 | 新潮社 |
出版日 | 2023年3月 |
価格 | 1,705円(税込) |
登場人物
・成瀬 あかり(なるせ あかり)
滋賀県大津市生まれ、同市在住のきらめき中学2年生→膳所(ぜぜ)高校3年生。
周囲から「変わった子」と思われ孤立しても、ブレることなく興味の赴くまま我が道を突き進む。
・島崎 みゆき(しまざき みゆき)
成瀬の幼馴染。凡人の自分は成瀬を見守るのが己の務めだと考えている。
・稲枝 敬太(いなえ けいた)
大阪のWeb制作会社に勤務する男性。
・吉嶺 マサル(よしみね マサル)
稲枝の旧友。ときめき坂にある吉嶺マサル法律事務所代表。「ときめき夏祭り」実行委員。
・大貫 かえで(おおぬき かえで)
成瀬と小学校からの同級生。優秀な成瀬をどこか気に入らないと思っている。
・西浦 航一郎(にしうら こういちろう)
広島・錦木高校の男子高生。出場した全国高校かるた大会で出会った成瀬に心惹かれる。
・中橋 結希人(なかはし ゆきと)
西浦の幼馴染。女好きで競技かるた部の仲間。西浦と成瀬の仲を取り持とうとする。
あらすじ
※一部、ネタバレを含みます。
※本記事は要約記事ではなく、自身の言葉であらすじ及び感想を書いたものです。
ありがとう西武大津店
成瀬あかりは14歳の夏休み前に、幼馴染の島崎みゆきに「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」言い出した。
地元大津市唯一のデパートである西武大津店に、営業終了日までの一か月間に毎日通い、ローカル番組「ぐるりんワイド」の生中継に映るから、島崎にはテレビをチェックしてほしいという。
西武ライオンズのユニホームを着て西武大津店に通う成瀬は、徐々にライオンズ女子として一部の層に認知され、twitterにもかきこまれるように。
最後の放送と西武大津店の営業が終わり、結局ぐるりんワイドはそこまで盛り上がらなかったが成瀬は「将来、わたしが大津にデパートを建てる」と新しい目標を立てた。
膳所から来ました
西武大津店通いを終えた成瀬は、「島崎、わたしはお笑いの頂点を目指そうと思う」と島崎を巻き込み、二人でM-1グランプリ出場を決め、「膳所(ぜぜ)から来た」ということで漫才コンビ「ゼゼカラ」を結成する。
自分たちで台本をつくり、成瀬が勝手にエントリーした文化祭の自由発表で伸びしろを感じ、プロと同じグループでM-1グランプリの一回戦に挑む。
階段は走らない
滋賀から大阪のWeb会社へ通勤する稲枝敬太は、Twitterで西武大津店の閉店を知る。
旧友の吉嶺マサルの誘いで、週末に西武大津店に行くと、小学校時代の同級生に次々と遭遇し、成り行きで同窓会を企画する。
マサルと敬太は、小学6年の年末喧嘩し、そのまま転校して音信不通となったタクローを気にしており、タクローを探し出そうと、敬太はメッセージ投稿ができるWebサイトを制作。
その後、閉店一週間前に、タクローを名乗る人物から「8月31日19時、西武の屋上で」というメッセージが投稿されており、敬太とマサルは半信半疑で閉店の日に屋上へ向かうのだった。
線がつながる
大貫かえでは進学した膳所高校で、中学時代に苦手であった同級生の成瀬と同じクラスとなり頭を抱える。
成瀬あかりは坊主頭になっており、本当に1ヶ月で1cm髪が伸びるのかを、高校3年間で検証するという。
一方、大貫かえでは、昼休みに前の席の大黒悠子が話しかけてくれたことで、ぼっちが回避できることを喜んでいた。
そんな大黒と班活動(部活動)を一緒に見学していると、毎年全国大会に出場するかるた班にて、大胆に札を取る成瀬の姿があった。
レッツゴーミシガン
滋賀県で開催される全国高校かるた大会に広島県代表として出場する西浦航一郎は、他校の出場者である成瀬に一目惚れした。
そんな様子を見ていた西浦の幼馴染の中橋結希人の協力もあり、成瀬とデートの約束を取り付け、二人は琵琶湖の観光船ミシガンに案内される。
下船後、成瀬と二人きりで散歩をした西浦は、スマホを持っていなかったり、本気で200歳まで生きるために不慮の事故に備えるなど、これまで出会った誰にも似ていない成瀬に好意を抱きながら、広島へ帰っていった。