【祈りの幕が下りるとき】
インフォメーション
題名 | 祈りの幕が下りるとき |
著者 | 東野圭吾 |
出版社 | 講談社 |
出版日 | 2016年9月 |
価格 | 1,870円(税込) |
登場人物
・加賀恭一郎(かがきょういいろう)
加賀恭一郎シリーズの主人公。日本橋署の警察官をしている。
・浅居博美(あさいひろみ)
舞台演出家、脚本家、女優。加賀と面識がある。
・田島百合子(たじまゆりこ)
加賀恭一郎の実の母。加賀が幼い時に家を出て行き、既に他界している。
・浅居忠雄(渡部俊一・越川睦夫)
博美の父親で、田島百合子が亡くなる直前の恋人。
複数の偽名を使って、電力関係の仕事に勤めている。
あらすじ
※一部、ネタバレを含みます。
※本記事は要約記事ではなく、自身の言葉であらすじ及び感想を書いたものです。
二つの事件
始まりは二つの事件だった。
一つは押谷道子という女性がアパートの一室で殺されていた事件。
殺されてから既に時間が経過していたようで、死体は腐乱していた。
また、事件現場になった部屋は、押谷の住んでいた部屋ではなく、越川睦夫という男性のものだった。
もう一つの事件は、新小岩駅近くの河川敷でホームレスの焼死体が見つかった事件だった。
ホームレスの男は絞殺されたうえに火をつけられており、凄惨さが伺える。
一見すると、関連性がなさそうな二つの事件だが、事件現場が近いということと、二人とも死因が絞殺だということで、捜査担当の松宮は関連性を調べていく。
しかし、捜査は難航し、松宮は先輩刑事の加賀に相談する。
押谷道子の動向
DNA鑑定の結果、被害者であるホームレス男性は越川であったことが判明する。
また、越川の部屋で遺体で見つかった押谷の動きも判明し、押谷は「浅井博美に会うため」に滋賀から上京していたことが分かった。
浅井は有名な舞台女優で、浅井と押谷は同級生であることが判明。
しかし、ここであることも判明する。
なんと、加賀は以前、彼女に剣道を教えたことがあったのだ。
この事件に関して不思議な縁を感じ始める。
カレンダーと日本橋
様々なことが明らかになる一方で決定的な証拠は見つからず、捜査は停滞する。
そんな中、加賀は越川の部屋にあったカレンダーに目をつける。
川越の部屋のカレンダーには、月ごとに日本橋周辺にある橋の名前が書きこまれていて、加賀はその書き込みに見覚えがあった。
実は、数年前に亡くなった加賀の母の部屋にあったカレンダーにも、月ごとに全く同じ内容が書き込まれていたのだ。
加賀にとって、母の記憶はほとんどないと言って良い。
母の唯一の手がかりは「田島百合子」という名前でスナックに勤務していたということとこのカレンダーだけ。
この二つのカレンダーのメモから、母と川越に関係があったのではないかと推測する加賀。
そして、加賀はこの事件に関わる浅井博美が、越川と関係があったのではないかという結論に至る。
二人の秘密
松宮と加賀は、カレンダーに書かれた橋の名前が何か重要な証拠になるに違いないと考え、橋の周辺で撮られた写真を徹底的に探し出す。
すると、浅井博美が映りこんでいる写真を見つけることに成功する。
この事実から、浅井博美と越川は、決められた月に決められた橋で会っているのではないかと推理する二人。
では、なぜこの二人は隠れて会わなければいけないのだろうか。